投機とは短期間で利益を得ようとする行為!投資との違いや方法を解説

投機するイメージ

資産運用するにあたり、「投資」と「投機」の違いを理解し、お金を増やすことが大切です。「投機」とは利益を短期間で得ようとする行為のことで、投資の意味で用いられることもありますが、少しニュアンスが異なります。具体的には何が異なるのか、また、資産形成やギャンブルとは何が異なるのかについて見ていきましょう。また、投機の注意点も解説します。

投機とは利益を短期間で得ようとする行為のこと

デイトレードのイメージ

投機とは

投機とは、短期間で利益を得ようとする行為のことです。簡単にいえば、安いと思うタイミングで購入し、少し高くなったらすぐに手放して利益を確定します。

例えば、株価が少し安くなったときに購入し、上がったらその日のうちに売却して利益確定するなどの1日内に終える投資を「デイトレード」といいますが、これも投機の一種です。投機では、価値ではなく価格の変動のみに着目し、一種のマネーゲームのような側面があるといえます。ギャンブルが含まれること多いようです。

投機のイメージ

投資とは

一方、投資は「長期的な視野でビジネスに投じる行為」のことをいいます。。例えば、「この会社は今後成長する」と判断して株式を購入し、会社の成長によって利益や配当を期待することは投資といえるでしょう。

株式や不動産などの資産に投資することで、時間をかけながらも、着実に付加価値を生み出し、資産を増大させていきます。もちろんその資産は、株価や為替などのさまざまな要因で、日々変動します。そのため、短期的には元本割れを起こしたり、思いのほか上昇しないこともあるでしょう。しかし、5年10年、20年と長期的に保有し続けることで、資産価値の上昇に伴い、トレンドとして資産価格も上昇すると考えられています。投資のイメージ

資産形成との違い

資産形成とは、株式や投資信託のように利益を期待できる金融商品などを使って資産を運用したり、定期預金などに貯金したりすることで、資産を増やしていく行為のことです。

投機のように短期的な利益を期待するのではなく、投資のように企業などの成長を見守ることが目的でもありません。また、保険などを使って万が一に備えることも資産形成のひとつと考えられます。

資産形成のイメージ

ギャンブルとの意味の違い

短期間で利益を得ようとする行為であるという点は、投機もギャンブルも同じです。いずれもすぐに利益を得る可能性はありますが、反対に短期間で大きな損失が生じる可能性もあるでしょう。

しかし投機とギャンブルには一点、大きな違いがあります。投機では利益を得られる可能性と損失が生じる可能性はおおよそ半々ですが、ギャンブルでは胴元(ギャンブルを取り仕切る運営団体や個人)への手数料が高いため、損をする可能性のほうが圧倒的に高いのです。

投機の2つのメリット

短期投資のイメージ

投機はギャンブルよりは高確率で利益を期待できるとはいえ、運もある程度関わってくるため、投資と比べるとギャンブル性が高い行為です。しかし、投機ならではのメリットもあるので、投資と投機を使い分けることで資産を上手に増やせることがあります。特に次の2つのメリットは、投機ならではの利点といえるでしょう。

  1. 短期間で利益を得られる
  2. ハイリターンを期待できる

1.短期間で利益を得られる

投機は、価格が安くなったときに購入し、高くなったときにすぐに手放すことで利益を獲得する手法です。株式投資のように長期にわたって価値の成長を見守ることはしないため、短期間で利益を得られるメリットがあります。

例えば今すぐお金を増やしたいときや、近い将来にまとまった資金が必要なときには、時間のかかる手法は向いているとはいえません。投機を活用して、短期間での利益を目指すことができます。

2.ハイリターンを期待できる

投機は運によって結果が左右される要素もあるためハイリスクですが、その分、ハイリターンを期待することができます。

例えば投機的な投資手法としてしばしば用いられるFXは、実際に投資する金額よりも多額の資金を動かす「レバレッジ」と呼ばれる仕組みを利用して、少額の資金投入で多額の利益を獲得することが可能です。

投機の3つの注意点

こまめに相場をチェックするイメージ

短期間で利益を得たい方やハイリターンを求める方には、投機は優れた利益獲得の手法です。しかし、リスクも多く、慎重に実施することが必要といえるでしょう。投機を行う場合には、少しでもリスクを抑えるためにも、次の3つのポイントに留意するようにしてください。

  1. こまめに相場の動きをチェックする
  2. 少額かつ余剰資金で行う
  3. 投入資金を分散する

1.こまめに相場の動きをチェックする

投機は短期間の価格上昇に注目して利益を獲得する手法です。価格が上昇したタイミングを見逃さないためにも、こまめに相場の動きをチェックする必要があるでしょう。

一方、投資は長期にわたって成長を見守る行為のため、相場が下落しても慌てることはありません。1週間、1ヶ月、1年と長期のスパンで価格の変化を確認し、投資を続けるかどうかを判断します。

2.少額かつ余剰資金で行う

投機には運の要素があるため、場合によっては損失が生じることもあります。投機をするときは特に使う予定がなく、なおかつ家計に影響を与えないほどの少額の余剰資金で行うようにしましょう。

特にFXのように投入した資金よりも損失が多くなる可能性がある投機に関しては、他の手法よりも少額のみを投入することを心掛けてください。

3.投入資金を分散する

すべての資金をひとつの商品に集中して投入すると、万が一、予想と反する動きをしたときには損失が多くなってしまいます。

例えば株式Aの株価が絶対に上がると予想して、全資金をAに投入したとしましょう。予想通りに値上がりすれば利益も大きくなりますが、予想に反して下落し続けるなら、損失が拡大してしまいます。資金を複数の商品に分散して資産を守るようにしましょう。

投資の2つのメリット

投資は、投機に比べ上手に運用すると、低いリスクで高いリターンが得られる運用方法です。ここでは、投資のメリットを2つご紹介します。

  1. 長期保有で複利が狙える
  2. 損失が出るリスクを軽減できる

1.長期保有で複利が狙える

複利とは、投資元本に利子がつくことで、その利子も含めた金額で運用されるため、さらに利子がつくことです。長期間保有することで、利息が高くなっていき、複利の効果は大きくなっていきます。

反対に、利息を元金に含まないのが単利です。単利と複利では、長期運用であるほど、利益の差が開き、運用期間が10年20年単位となれば、100万円単位で差が生まれることも珍しくありません。

分配金や配当金なども、複利運用することでさらに利益は大きくなっていくことでしょう。

2.損失が出るリスクを軽減できる

投資の場合、株式相場や環境、情勢によって、一時的に株価の変動があったとしても、長期保有していれば、価格が安定する可能性が高いです。デイトレードなどの投機とは異なり、株式投資は長期にわたり複数の銘柄に投資可能です。特に、さまざまな銘柄に分散投資をおこなうことで、一つの業種や企業で株価が下落したとしても、他社で補うことができ、リスクヘッジができるでしょう。

投資の2つの注意点

投資には、中長期目線で資産を育てるメリットが大きい一方で、いくつか注意点もあります。注意点も考慮したうえで、運用すれば損失を最低限に抑えながら、大きな収益を目指すことができるでしょう。投資の主な注意点は以下の2つです。

  1. 短期間で大きな利益を得るのは難しい
  2. 長期投資では予測が難しい

 

1.短期間で大きな利益を得るのは難しい

投資の場合、株式の長期的な成長を見越したうえで利益を求めるため、短期間で大きな利益をとることが難しいです。基本的に、結果が出るまで時間がかかると考えた方がよいでしょう。

不動産投資の場合は、株式投資ほどの期間は必要ないといわれていますが、入居者が入るまでは利益がありません。そのため、複数の物件を貸し出している場合には、管理費など様々な出費も余儀なくされるため、短期間での大きな利益は難しいと考えられます。

2. 長期投資では予測が難しい

株式投資や投資信託は、一般的には短くても数年、長ければ数十年単位の将来を予測して購入するため、自分の予想通りに成長するとは限りません。企業の経営不振や、経済状況の悪化など、さまざまな要因で損失が出ることもあります。

また、急にお金が必要になった場合には、途中で投資を中断しなければなりません。投資をやめるタイミングで株価が上がっていればよいですが、想定よりも利益が少なかったり、損失が出ることもありますので、注意が必要です。

また、不動産投資の場合、入居者が入らなかったり、入居者の急な引っ越しで空室となるリスクや、災害や周辺環境の変化で土地そのものの価値が変動することもあります。

 

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投機か投資かで迷ったら?

悩む女性のイメージ

投機を実施することで短期間でハイリターンを期待することができます。一方、投資を選ぶ場合は、短期間で利益は得られなくても、長期にわたって利益を期待することが可能です。

投機も投資も資産を増やすための手法であり、どちらか一方が正しく、どちらかが間違いというものではありません。投機か投資か迷ったときは、次のポイントで選んでみましょう。

投機は時間と資金に余裕がある人向き

投機に向いているのは、時間と資金にある程度余裕のある人でしょう。FXや株式のデイトレードなどによる投機では、ずっと画面に向き合い、株価の変動を都度チェックしなければなりません。また、不動産投機の場合にも、毎回土地などを検討し、探さなければならないため、手間がかかります。

これらの投機に対して、生活資金や使い道のある資金で取り組むのはやめましょう。投機取引に使ったお金をすべて失う危険性もあるため、失っても生活に支障のない範囲で、少額投機を心がけましょう。

日中忙しい人は投資

投機は、デイトレードのようにごくわずかな期間で利益を獲得しようとする手法です。例えば株式を投機的に運用する場合は、株価が動く平日日中にこまめに価格をチェックする必要があります。日中忙しい方は、短期間で利益を得ようとしない投資のほうが向いているといえるでしょう。

一方、為替を投機的に運用して利益を得ようとする場合は、平日日中以外も価格変動をチェックする必要があります。

夜中に何時間も相場チェックをしていると本業に支障が出ることもあるので、時間を自分で決めておくなどのルールを作り、無理のない範囲で投機に取り組むようにしましょう。

資産運用初心者も投資

今まで資産運用をした経験が少ない方は、短期間で利益を得る投機は難しいかもしれません。株価や為替の動きを予想することに慣れていないと、ついギャンブル的に運任せにして資金を投入してしまうこともあります。時間をかけて資産を成長させる投資や、保険商品などの将来の不安に備える形での資産形成を検討することができるでしょう。

一方、資産運用の経験が豊富で、相場を読む力にある程度は自信がある方は、投機にチャレンジして短期間でハイリターンを目指すこともできます。しかし、どんなに経験が豊富な投資家でも読みを外すことがあるので、投機には少額かつ余剰資金を用いるようにしましょう。

また、特定の商品に全資産を投入するのではなく、いくつかの商品に分散させたり、投資も並行して行ったりすることでリスクを分散させることも大切です。

長期的に資産を増やしたい人も投資

「老後資金を用意したい」「将来マイホームを購入するための頭金を用意していきたい」というように、近い将来ではなくある程度遠い将来に向けて資産を増やしたい方も、投機ではなく投資を選ぶことができます。

ハイリターンを期待できる投機はリスクが高くなりがちですが、ローリターン型の投資を選べばリスクも低く抑えることができ、安定した資産形成を目指せるでしょう。

ただし、どんなにローリスクの投資であっても、リスクがないわけではありません。投入した資金が減る可能性は必ずあります。よって、特定の商品に資産をまとめて投入するのではなく、複数の商品に分散させることが必要です。

また、投資の手法自体もいくつか分散させることができるでしょう。例えば国内株式だけに資産を集中していると、日本経済が急激に落ち込み、多くの企業がダメージを受けた場合に資産を大きく減らすことになりかねません。

外国株式や債券、不動産、定期預金などのさまざまな手法を活用して資産を分散させ、情勢が変わったときでも資産をある程度は守れる状態にしておきましょう。

余剰資金で短期的に利益を得たい人は投機

特に使う予定がない資金が手元にあり、なおかつ短期的に利益を得たいと考えている場合は、投機にチャレンジすることができます。投機はギャンブル的な要素も少なからずあるため、少額のみを投入することを意識して実施しましょう。

投機で利益を得た場合も、投入する資金をあまり増やしすぎないことが大切です。獲得した利益は別に置いておき、最初に投入した資金のみを使って次の投機を行うなら、利益を全額失ってしまうという状況は回避できます。

また、特に急ぎで利益を獲得する必要がない場合は、投機から投資にシフトすることもできるでしょう。例えば為替や株式を活用して資産運用する場合でも、短期的に利益獲得が難しそうなときは長期にわたって価格の推移を見守り、予想した以上に価格が上昇したタイミングで売却して利益を確定させます。柔軟に投機と投資を使い分け、大切な資産を増やしていきましょう。

FXは投機?それとも投資?

FXは一般的に短期取引になりやすいため、「投機」といわれることが多いものです。FXはもともと、「外国為替取引」を意味していましたが、現在では「外国為替証拠金取引」として使われることが一般的といえます。FXとは、一般的に、日本円をドルやユーロなどの外国通貨に両替し、その価値の変動による為替差益を狙います。特に、レバレッジをかけることによって、少ない金額で多額の利益が得られるメリットが大きいです。しかし、メリットである反面、同時に多額の損失が発生する可能性がある、リスクの高い金融商品ともいえるでしょう。

ビットコインは投機?それとも投資?

最近、ビットコインは爆発的な値上がりで注目されています。ただ、値動きが激しいことに加え、「投資対象としてふさわしいのか」という批判も多い投資先です。コインと称してはいるものの、政府や中央銀行の信用がなく、経済状況などの裏付けがないものといえるでしょう。

そのため、ビットコインは多くの経済評論家の間で、「投機」と批判されています。過去1年のビットコイン相場を振り返ると、上昇時には最大約+56%、下落時には最大約-30%でした。ハイリスクハイリターンな特徴が強く、投機的と考える人も多いはずです。

とはいうものの、仮想通貨取引の価値は「ブロックチェーン」と呼ばれる情報の共有管理ネットワークシステムにあり、国境を越えた取引や決済での利便性を発揮しています。ブロックチェーンの活用により、海外であっても送金コストを抑え、即時決済をおこなうことができるのです。ただ、ビットコインはマネーロンダリング(資金洗浄の温床)となっていたり、乱高下が激しいため、投資よりは「投機」の特色が強いといえるでしょう。

まとめ

笑顔のイメージ

投機は短期的に利益を期待する資産運用方法で、ハイリスクハイリターン型の手法といえます。一方、投資は長期にわたって価値の成長を見守る手法です。短期的な価値の変動に左右されることがないため、特に急いで利益を確定する必要がないときに活用できます。

状況によって柔軟に投機と投資を使い分けることで、それぞれのメリットを活かすことが可能です。資産運用の経験が少ない方は、まずは投資から取り組み、資産形成を目指していきましょう。