老後に備えてお金を少しでも蓄えておきたいと考えている人は少なくありません。しかし、賢くお金を蓄えておくにはどうしたらいいのか悩んでしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、将来のために資産を運用してくれる資産運用会社のランキングと代表的な投資信託をご紹介していきます。これから資産運用を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
資産運用会社の特徴
そもそも資産運用会社とは？
資産運用会社とは、広義の意味では投資家の資産を預かり資産運用を代行する企業全般を指します。
個人投資家からすると、投資信託（ファンド）を運用する投資信託会社が一番身近でしょう。投資信託やファンドは、投資家からお金を集めてファンドマネージャーなどの専門的な知識を持つプロが資産運用を代行しています。
投資や運用に関する知識や時間がない方は、資産運用会社に投資を任せた方が安心です。
資産運用会社の主な業務
資産運用会社が行っている業務は、おおまかに以下の業務に分けることができます。
- フロント業務
- ミドル業務
- バック業務
フロント業務
フロント業務は、運用フロントと営業フロントの2つがあります。運用フロントとはファンドマネージャーやトレーダーを指します。資金の投資判断や資金繰りの管理、マーケットにおける資産の売買などを行います。営業フロントは、運用する投資ファンドの営業を行います。投資信託の場合は証券会社への営業活動や投資家向けのセミナーがあります。
ミドル業務
ミドル業務は、運用ディスクローズとリスク管理を行います。運用ディスクローズでは、投資家に向けたファンドの投資信託説明書やファンドの運用状況を知らせるためのレポート作成などを行います。リスク管理では、モニタリングを行うことでファンドの運用が適正かどうかチェックしています。
バック業務
バック業務はファンドが投資している資産の売買や資金の流入を会計システムに入力することで基準価額の算出を行っています。社内システムの開発・保守業務などを担っているIT部門やスタッフ部門の人事部や総務部もバック業務です。
資産運用会社の種類
独立系
独立系の資産運用会社は、ファンドマネージャーが持つ独自の運用哲学や運営方針を大切にしています。他の資産運用会社と比べてみると、自由な運用スタイルを持つ傾向が特徴的です。特定のスタイルにこだわらずに資産運用を任せたい場合は、独立系の資産運用会社を選ぶようにしましょう。ひふみ投信を扱う「レオス・キャピタルワークス」、さわかみファンドを扱う「さわかみ投信」、スコットランドの「ベイリー・ギフォード社」やキャシーウッドが率いる「ARK社」などが有名な独立系の資産運用会社です。
銀行系
銀行系の資産運用会社は、主に銀行の子会社です。中には、純粋な銀行系子会社ではない場合もありますが、出資比率の大きさから銀行系に分類されている資産運用会社もあります。メガバンク系列だとアセットマネジメントONE（みずほファイナンシャルグループ系）、三井住友アセットマネジメント（三井住友系）、三菱UFJ国際投信（三菱ＵＦＪ系）があります。
証券系
証券系の資産運用会社は、証券会社の子会社です。証券会社がバックについているため、魅力的な強みを持っている資産運用会社も多くあります。初心者でも安心できるようなサポートも行っているケースが多いのも特徴です。野村アセットマネジメント（野村証券系）、大和投資信託（大和証券系）、SBIアセットマネジメント（SBI証券系）などがあります。
保険系
資産運用会社の中には保険会社の子会社もあります。投資家に寄り添ったサービスを提供している保険系の資産運用会社が多いです。ニッセイアセットマネジメント（日本生命系）、SOMPOアセットマネジメント（SOMPO系）などがあります。
資産運用会社国内おすすめランキング
運用している資産（純資産）を元にした国内の資産運用会社のランキングと、また合わせて運用資産上位の人気がある投資信託、ETFをご紹介していきます。
1位 野村アセットマネジメント 44兆187億円
野村ホールディングスグループに属する野村アセットマネジメントは、日本1位、世界5位のETF残高を誇る資産運用会社です。多数のラインナップを持つNET FUNDSシリーズが投資家から人気を集めている投資信託です。特にTOPIX、日経平均指数などの株式指数や、東証REIT指数などの不動産指数に連動するインデックス型の投資信託が人気です。また、確定拠出型年金の投資信託としても選ばれる傾向があります。
野村アセットマネジメントで人気の上位5つの投資信託をご紹介します。この5つのETF、投資信託で約27兆円の純資産額となっています。
| 順位 | ファンド名 |
| 1 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 |
| 2 | NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 |
| 3 | NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投信 《愛称》JPX日経400ETF |
| 4 | NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 (愛称:NF・J-REIT ETF) |
| 5 | 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け) |
また、NEXT FUNDS公式サイトでは、「ETFゼミ」などのコンテンツが充実しており投資教育にも力を入れています。
2位 日興アセットマネジメント 23兆107億円
日興アセットマネジメントは、日本2位、世界11か国で事業展開する三井住友信託銀行傘下の資産運用会社です。金融業界で設計・運用するETFが何度も表彰されるなどの多数の実績があります。
日興アセットマネジメントは上場インデックスファンドシリーズを展開しています。上位2つのETFは野村アセットマネジメントと同様にTOPIXと日経平均指数に連動するインデックス型です。この5つのETF、投資信託で約16兆円の純資産額となっています。
| 順位 | ファンド名 |
| 1 | 上場インデックスファンドＴＯＰＩＸ |
| 2 | 上場インデックスファンド２２５ |
| 3 | 日興ＭＲＦ（マネー・リザーブ・ファンド） |
| 4 | グローバル・プロスペクティブ・ファンド |
| 5 | デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド |
3位 大和アセットマネジメント 21兆919億円
大和アセットマネジメントは、大和証券グループの資産運用会社で、日本における資産運用ビジネスのリーディング・カンパニーの1社です。2001年のETFの市場創設と同時に「ダイワ上場投信-トピックス」と「ダイワ上場投信-日経２２５」を上場するなどETFにも力を入れています。
純資産ランキング上位の投資信託、ETFで14兆円。この表には含まれていませんが、近年、個人投資家には豊富な商品ラインナップと低コストの「iFreeシリーズ」が人気を集めています。
| 順位 | ファンド名 |
| 1 | ダイワ上場投信−トピックス |
| 2 | ダイワ上場投信−日経２２５ |
| 3 | ダイワMRF(マネー・リザーブ・ファンド) |
| 4 | ダイワ・US-REIT・オープン（毎月決算型） Bコース（為替ヘッジなし） |
| 5 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト |
4位 三菱UFJ国際投信 15兆511億円
三菱UFJ国際投信は三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFGグループ）の資産運用会社です。ETF「MAXIS」シリーズと豊富なラインナップ、低コストの投資信託「eMAXIS」シリーズが個人投資家から人気を集めています。
最も人気のあるETFは3位となった米国市場の代表企業500社にまとめて投資ができる「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。この5つのETF、投資信託で約6.5兆円の純資産額となっています。
| 順位 | ファンド名 |
| 1 | ＭＡＸＩＳ トピックス上場投信 |
| 2 | ＭＡＸＩＳ 日経２２５上場投信 |
| 3 | ｅＭＡＸＩＳ Ｓｌｉｍ 米国株式（Ｓ＆Ｐ５００） |
| 4 | ＭＡＸＩＳ ＪＰＸ日経インデックス４００上場投信 |
| 5 | 国際のＭＲＦ（マネー・リザーブ・ファンド） |
5位 アセットマネジメントOne 11兆577億円
アセットマネジメントOneは、みずほフィナンシャルグループと第一生命保険の資産運用会社が合併して誕生した資産運用会社です。「責任感とチャレンジ精神を持ち、信頼される会社を目指す」というミッションを実現するための事業を展開しています。投資商品のラインナップも豊富です。
最も人気がある投資信託は、「未来の世界シリーズ」のESG（環境・社会・ガバナンス）を考慮した銘柄で構成される「グローバルＥＳＧハイクオリティ成長株式ファンド（為替ヘッジなし）」です。この5つのETF、投資信託で約4.2兆円の純資産額となっています。
| 順位 | ファンド名 |
| 1 | グローバルＥＳＧハイクオリティ成長株式ファンド（為替ヘッジなし） |
| 2 | 新光ＭＲＦ（マネー・リザーブ・ファンド） |
| 3 | グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド（為替ヘッジなし） |
| 4 | 投資のソムリエ |
| 5 | 新光 US－REIT オープン |
資産運用会社 海外ランキング
続いて海外の資産運用会社を紹介していきます。国内に比べて規模が大きいことからスケールメリットを生かした低コストの商品を扱う資産運用会社が多くあります。
1位 ブラックロック 838兆円
ブラックロックは、1988年にニューヨークで設立された世界最大の資産運用会社です。運用資産の3分の2が機関投資家からとなっており、機関投資家からの高い信頼があります。
世界最大シェアの「iシェアーズ」シリーズという投資信託とETFがあり、日本株の他に、米国や新興国市場などのグローバルな株式や債券など幅広いラインナップとなっています。
特に人気なのが米国市場の代表企業500社にまとめて投資ができる「IVV iシェアーズコアS＆P 500 ETF」です。
| 順位 | ファンド名 |
| 1 | IVV iシェアーズコアS＆P 500 ETF |
| 2 | IEFA iSharesコアMSCI EAFE ETF |
| 3 | AGG iShares Core US Aggregate Bond ETF |
| 4 | IEMG iSharesコアMSCI新興市場ETF |
| 5 | IWF iシェアーズラッセル1000グロースETF |
2位 バンガードグループ 701兆円
バンガードグループは、米国ペンシルベニア州に本社がある世界最大規模の資産運用会社で、世界初のインデックス型投資信託を個人投資家に提供した会社としても有名です。創業者は、幅広く投資家に低コストで投資ができる機会を与えた人物として「インデックス・ファンドの父」として知られています。バンガードグループのETFは、業界平均の3分の1以下という低コストです。
特に人気なのは、「VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」という全世界の株式に分散して投資できるETFです。
| 順位 | ファンド名 |
| 1 | VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
| 2 | VOO バンガード・S&P500 ETF |
| 3 | VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
| 4 | VYM バンガード・米国高配当株式ETF |
| 5 | VWO バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF |
3位 ステートストリート・グローバル・アドバイザーズ 355兆円
ステート・ストリートは大手機関投資家向けの米国系金融機関で、現存する中では米国内で2番目に古い歴史を持っています。ステートストリートという名称は本社のあるボストン国際金融市場の中心街から来ています。個人投資家向けはグループ会社のステートストリート・グローバル・アドバイザーズです。
SPDRシリーズのETFを取り扱っており、米国市場の代表企業500社にまとめて投資ができる「SPY SPDR S&P 500 ETF」は世界最大のETFです。
| 順位 | ファンド名 |
| 1 | SPY SPDR S&P 500 ETF |
| 2 | GLD SPDR ゴールド・シェア |
| 3 | XLK テクノロジー・セレクト・セクター SPDR ファンド |
| 4 | XLF 金融セレクト・セクター SPDR ファンド |
| 5 | XLV ヘルスケア・セレクト・セクター SPDR ファンド |
まとめ
今回は人気のある資産運用会社とその投資信託、ETFについてご紹介しました。絶対安心とは言えませんが、純資産額が大きい投資信託はそれだけ多くの投資家が注目し、お金を預けている証です。資産運用を検討している方は、有名な資産運用会社、投資信託を検討してみてはいかがでしょうか。
