未成年が利用できる「ジュニアNISA」は、20歳以上が利用できるNISAと同様、投資によって得られる利益が非課税になる制度です。通常は投資による利益に対しては20.315%の税金が課せられますから、お得に運用できる制度と言えるでしょう。
楽天証券でジュニアNISAを行うと国内株式や投資信託の売買手数料も無料になるため、さらに資産運用時のコストを削減できます。楽天証券でジュニアNISA口座を開設する手順や入金から購入までの流れ、払い出し、注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
楽天証券のジュニアNISAで投資を始めよう

楽天証券でジュニアNISAを始めるためには、ジュニアNISA口座が必要です。口座開設に必要なものや提出する書類、楽天証券ジュニアNISA口座で実施しているキャンペーンについて見ていきましょう。
ジュニアNISAの概要について
ジュニアNISA口座を開設する前に、まずはジュニアNISAとは何かを簡単に説明します。ジュニアNISAとは投資による利益が非課税になる制度で、日本に居住する20歳未満の方なら一人につき一口座開設することが可能です。
非課税で投資を行える枠は1年間で80万円までで、投資した商品に対して最長5年間非課税が適用されます。例えば2016年に投資信託を60万円分購入した場合、2020年までは利益に対して税金は発生しません。
口座開設者本人が未成年のため、本人に代わり運用・管理を行う管理者を定めることになっています。運用管理者の範囲には制限が設けられており、以下のいずれかに該当しなくてはなりません。
- 口座開設者本人の二親等以内の者
- 法定代理人
法定代理人の同意があれば、未成年の口座名義人本人が運用にあたれる金融機関もありますが、楽天証券のジュニアNISAでは、実際に運用できるのは口座名義人の親か未成年後見人に限定されていますので注意しましょう。
未成年口座と親権者の総合取引口座が必要!
楽天証券ではジュニアNISA口座を開設しただけでは、非課税投資を始めることはできず、前提条件として「未成年口座」が開設されている必要があります。
また、ジュニアNISA口座を開設する前に、口座名義人の父母もしくは未成年後見人を「登録親権者」と定め、登録親権者名義の総合取引口座の開設も必要です。ジュニアNISAを楽天証券で始める方は、事前に総合取引口座を開設しておきましょう。
口座開設に必要な書類
次はいよいよジュニアNISA口座の開設です。未成年口座を保有している場合と保有していない場合では、必要な書類が異なります。パターン別にご説明しましょう。
すでに未成年口座を保有している場合
事前に未成年口座を開設している方もいるでしょう。その場合は、以下の2つの書類を提出します。
- ジュニアNISA口座開設届出書
- 口座名義人の本人確認書類(健康保険証や運転免許証、在留カード、住民票など)
保有している未成年口座にマイナンバーの登録がまだ終わっていない場合は、以下の書類も併せて提出しましょう。
- 口座名義人のマイナンバー通知届出書(通知カード、個人番号カード、マイナンバーの記載がある住民票の写しのいずれか)
- 登録親権者の本人確認書類(運転免許証、パスポート、個人番号カード、在留カードなどを1点、もしくは健康保険証・住民票・印鑑登録証明書を2点以上)
- 口座名義人と登録親権者の関係を証明する書類(住民票や戸籍謄本など)
未成年口座とNISA口座の同時開設の場合
未成年口座をまだ開設していない場合は、未成年口座とジュニアNISA口座を同時に開設することが可能です。以下の5つの書類を提出しましょう。
- ジュニアNISA口座開設届出書
- 口座名義人の本人確認書類(健康保険証や運転免許証、在留カード、住民票など)
- 口座名義人のマイナンバー通知届出書(通知カード、個人番号カード、マイナンバーの記載がある住民票の写しのいずれか)
- 登録親権者の本人確認書類(運転免許証、パスポート、個人番号カード、在留カードなどを1点、もしくは健康保険証・住民票・印鑑登録証明書を2点以上)
- 口座名義人と登録親権者の関係を証明する書類(住民票や戸籍謄本など)
ジュニアNISA口座のキャンペーン
冒頭でも触れましたが、楽天証券ではジュニアNISA口座を対象とした、現物株式の取引手数料無料キャンペーンを実施しています。コストを抑えて株式投資を行いたい方は、ぜひ注目してみましょう。
また、楽天証券では20歳以上を対象とした「NISA口座」でも、国内株式の取引手数料は無料です。親子で同じ証券会社にNISA口座を開設すると資金移動が便利になるため、NISA口座とジュニアNISA口座の運用も検討してみることができるでしょう。
その他にも、楽天証券では不定期にキャンペーンを実施しています。株式取引手数料無料キャンペーンのように自動的に適用されるものもありますが、エントリーが必要なものも少なくありません。ぜひ口座開設前に楽天証券のキャンペーンサイトもチェックしてみましょう。
入金から購入までの流れをチェックしよう

ジュニアNISA口座を開設したら、次は資金を入金して投資商品を購入します。入金から購入までの流れを見ていきましょう。
入金の流れ
楽天証券では、ジュニアNISA口座に直接資金を入金できません。ジュニアNISA口座の名義人の銀行口座から楽天証券の未成年口座に資金を入金し、未成年口座からジュニアNISA口座に資金を移動します。
なお、どの金融機関の口座であっても、楽天証券の未成年口座への入金は手数料無料です。未成年口座からジュニアNISA口座への資金移動も手数料は不要なので、入金手数料は一切かかりません。

親の銀行口座からの入金手数料も無料
楽天証券の未成年口座へは、登録親権者が保有する銀行口座からでも入金できます。この場合もリアルタイム入金を利用すれば入金手数料は無料なので、手数料不要で投資資金を入金することが可能です。
国内株式を購入する流れ
資金を入金したら、次は投資商品の購入です。楽天証券のジュニアNISA口座では国内株式と投資信託の2つを運用することができます。
以下の流れで国内株式を購入しましょう。
- 楽天証券のジュニアNISA口座の取引画面を開く
- 「株を注文する」のタブを開く
- 購入したい株式が決まっているときは「銘柄名」か「銘柄コード」を入力
- 株式銘柄が決まっていないときは「買いたい銘柄がまだ決まっていない人」をクリックし、購入したい株式を選択
- 「うちNISA(非課税)で買付可能な金額」が表示されるので、金額内になるように「数量」を決定する
- 「ジュニアNISA口座区分」が「NISA」になっていることを確認してから、取引暗証番号を入力し「注文内容を確認する」をクリック
- 注文内容に間違いがなければ「注文」をクリック
国内株式の売買手数料は常に無料
楽天証券のジュニアNISA口座では、国内株式の売買手数料が無料です。注文時には一旦手数料が差し引かれますが、取引成立後の夕方以降に返金されますのでご安心ください。
ただし、カスタマーサービスのオペレーターを経由して注文する場合には、売買手数料が発生することがあります。
投資信託を購入する流れ
投資信託は以下の流れで購入します。
- 楽天証券のジュニアNISA口座の取引画面を開く
- 「投資信託を注文する」のタブを開く
- 購入したいファンドが決まっているときは「ファンド名」を入力
- ファンドが決まっていないときは「買いたい銘柄がまだ決まっていない人」をクリックし、購入したいファンドを選択
- 購入するファンドの目論見書を閲覧する
- 「NISA買付可能枠」が表示されるので、金額内になるように「入金額」を決定し、「分配金コース※」の「受取型」か「再投資型」を選択する
- 「ジュニアNISA口座区分」が「NISA」になっていることを確認してから、「目論見書の内容を確認し、理解しました」にチェックを入れる
- 「確認」をクリックし、注文内容に間違いがなければ取引暗証番号を入力して「注文」をクリック
※「受取型」を選択すると分配金は非課税となりますが、「再投資型」を選択する場合、非課税となるのは年間80万円を上限とするジュニアNISA枠内に限られる点には注意が必要です。
楽天証券の投資信託商品はすべてノーロード
楽天証券の投資信託商品は、申し込み手数料がかからないノーロード(買付手数料不要)のため、コストを抑えた投資が可能になります。投資効率を上げたい方には大きなメリットになるでしょう。
払い出しができる時期と終了後について確認

ジュニアNISA口座では、利益や投資資金の払い出しができる時期が限られている点に注意が必要です。そのため、急な支出があっても基本的には口座内のお金は利用できないものと思いましょう。確認しておきたいポイントを紹介します。
払い出しは18歳以降、預かりは20歳まで
口座名義人が3月31日時点で18歳になる前年の12月31日までは、ジュニアNISA口座からは資金や利益の払い出しができません。ジュニアNISA口座の廃止手続きを行えば途中で払い出すことは可能です。しかし、廃止手続きを実行すると、過去のジュニアNISA口座での利益すべてが課税対象になるのでご注意ください。
なお、ジュニアNISA口座での預かりは、口座名義人が20歳になるまで可能です。
2024年以降18歳未満の払い出しが可能
ジュニアNISA制度は2023年に終了します。それに伴い2024年以降は払い出しルールが変わり、18歳未満であってもジュニアNISA口座からの払い出しができるようになる予定です。
払い出し制限がなくなるため、資金が必要な時に払い出すことができます。大学進学費用だけでなく、高校入学時や受験費用等でお金が必要なときには払い出せ、今よりも使いやすくなるとも言えるでしょう。
20歳以降はNISA口座で保有も可能
ジュニアNISA口座の名義人が1月1日の時点で20歳である年に、自動的にNISA口座が開設されます。その際、通常のNISA口座かつみたてNISA口座かを選択することが可能です。通常のNISA口座を選ぶと、ジュニアNISA口座内の資金を新しく開設されたNISA口座に移動することができます。
なお、NISA口座の枠は120万円ですが、ジュニアNISA口座内の資金が枠を超えていても全額NISA口座への移動が可能です。

ジュニアNISAの注意点とは?

楽天証券でジュニアNISAを始める前に知っておきたい注意点をまとめました。ぜひ始める際の参考にしてください。
海外ETF、米国ETFは取引できない
楽天証券のジュニアNISA口座で運用できるのは、国内株式(現物取引)と投資信託、投信積立のみです。海外ETFや米国ETFは運用できません。
配当金を非課税にするには手続きが必要
ジュニアNISA口座で売買したときに得られる利益は、自動的に非課税になります。
しかし、配当金や分配金を非課税にするためには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する手続きが必要です。「お客様情報の設定・変更」ページで、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に指定しておきましょう。
非課税期間終了後はロールオーバー可能
ジュニアNISA口座の非課税期間は5年間ですが、非課税期間が終了すると運用中の投資商品を新たなジュニアNISA口座に移動させること(ロールオーバー)が可能です。ロールオーバーすると、非課税期間がさらに5年延長されます。ただし、2024年以降のロールオーバーに関しては、移管先はジュニアNISAではなく20歳まで新規買い付けができない「継続管理勘定」です。
ロールオーバー対象の投資商品がある場合、ロールオーバーが実施される前年の10月頃に申し込みの書面が楽天証券から届くでしょう。ロールオーバーを希望する場合は、登録住所を確認し、必要事項を記入して返送してください。何もしないと、課税口座に移行されるので注意しましょう。
なお、年末のロールオーバーした時点の価格が、新たな取得価額(投資商品を購入した金額)となります。年間非課税額は80万円ですので、ロールオーバーする投資商品が50万円なら、新たなジュニアNISA口座で購入できる投資商品の上限額は30万円です。
評価額が80万円を超えていても全額ロールオーバーすることは可能ですが、枠をすべて使ってしまっているため、その年は新規でジュニアNISAで投資商品を購入することはできません。

まとめ

ジュニアNISA制度を利用できる金融機関は多いですが、手数料にこだわるなら楽天証券を検討してみましょう。国内株式の売買手数料と投資信託の買付手数料が無料なだけでなく、口座名義人・登録親権者の銀行口座からの入金手数料も無料です。
ジュニアNISAの仕組みや、楽天証券ジュニアNISA口座ならではの特徴・手順を理解し、ぜひお子様の学資等の将来の備えに活かしてください。