テクニカル分析とはチャート上で株価などを予測するもの!主な7つの手法を紹介

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テクニカル分析とはチャート上に過去の値動きを表示させ、将来的な株価の動きを予想するものです。しばしば株式投資の際に用いられるので、投資を始める前に学んでおくことができます。主な7つの手法と利用するメリット、デメリットについて見ていきましょう。

テクニカル分析とはチャートで株価などを予測するもの

移動平均線のイメージ

テクニカル分析は株式だけでなく為替の値動きを予想する際にも用いられ、上昇するのか下落するのか、現在のトレンド(値動きの傾向)がいつまで続くのかなど、さまざまなことを予想していきます。

分析の手法と読み方だけを知っていれば経済に詳しくなくても利用できるため、株式投資の初心者から上級者まで多くの方に活用されている分析法です。

ファンダメンタル分析との違い

株価や為替を予想する方法としては、ファンダメンタル分析(ファンダメンタルズ分析)もよく利用されています。ファンダメンタル分析とは株価や為替を動かす要因となるものに注目して、上昇か下落か、トレンドはどの程度続くのかなどを割り出す手法です。

テクニカル分析とは異なり、経済に対して敏感であることが求められます。また、各企業の財務状態などにも注目する必要があるため、分析に手間と時間がかかることもあるでしょう。

テクニカル分析の7つの手法

戦略的投資のイメージ

シンプルにチャートだけで投資の予想をするなら、テクニカル分析が適しています。ファンダメンタル分析とは異なり経済や各企業の財務状況などに注目する必要がないため、チャート以外の分析材料が不要な点もテクニカル分析の魅力です。主な7つの手法について見ていきましょう。

  1. ローソク足
  2. 単純移動平均線
  3. ボリンジャーバンド
  4. RSI
  5. MACD
  6. RCI
  7. ストキャスティクス

1.ローソク足

ローソク足とは、特定の期間内の4つの価格を1つの図で示したものです。

  • 始値:期間が始まるときの価格
  • 終値:期間が終わるときの価格
  • 高値:期間内でもっとも高い価格
  • 低値:期間内でもっとも低い価格

始値よりも終値が高かったものは陽線と呼び、以下の表では赤色で記されています。下落が続く下降トレンドにおいて、終値と高値が同じときや、終値と始値が同じで上下あるいは下のヒゲが長いときは、下降トレンドが終わりに近づいたと判断されることが一般的です。今後上昇トレンドに切り替わることがあるので、買いの時期と見ることができるでしょう。

また、始値よりも終値が低いものは陰線と呼びます。上昇が続く上昇トレンドにおいて低値と終値が同じときや、終値と始値が同じで、上下あるいは上のヒゲが長いときは、上昇トレンドが終わりに近づいたと判断することが一般的です。今後は下降トレンドに切り替わることがあるので、売りのタイミングと見ることができるでしょう。

ローソク足のイメージ

2.単純移動平均線

単純移動平均線とは一定期間の平均価格をつないで作る線、あるいはその線を用いて相場の変化を予想することを指します。終値の平均値だけを見るので、日中の動きに惑わされずにトレンドを把握することが可能です。

5日分の平均価格をつないでつくる線を5日移動平均線と呼びます。価格の動きを示すグラフが5日移動平均線を支えるような形で表示されるときは、この移動平均線を「支持線」とし、価格が支持線に近づいたタイミングで買い注文を行うことが少なくありません。

反対に、価格の動きが5日移動平均線を超えないような形で表示されるときの移動平均線は「抵抗線」です。価格が抵抗線に近づいたタイミングで売り注文を行い、損失が減るようにします。

移動平均線の具体的なイメージ

3.ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、値動きが収まりやすい幅をチャート上に表記したものです。+1σ(シグマ)と-1σの線の間に収まる確率は約68%、+2σと-2σの線の間に収まる確率は約95%なので、+2σを超えたときには売り、-2σを下回ったときは買いのように判断します。

より慎重に投資を行うなら、+1σを超えた時点で売り、-1σを下回った時点で買いと判断することもできるでしょう。

4.RSI

RSI(相対力指数)とは一定期間における値上がり幅と値下がり幅から、値動きの強さを数値で示したものです。上昇した日の値幅と下落した日の値幅をそれぞれ合計し、上昇した日の値幅の割合の大きさから、買われ過ぎや売られ過ぎを判断します。

なお、RSIが25~20ほどに下がると売られ過ぎ、70~80に上昇すると買われ過ぎと判断することが一般的です。

5.MACD

MACD(移動平均収束拡散手法)とは、期間の異なる移動平均線を用いて、買いのタイミングと売りのタイミングを判断する手法です。基本となる線が右肩下がりで移動平均線が基本線よりも上にあるときは、相場の勢いが弱く、買い控えをします。その後、シグナルをMACDが上に抜けると買いのタイミングです。

反対に基本となる線が右肩上がりで移動平均線が基本線よりも下にあるときは、相場の勢いは強いと考え、売りのタイミングを見計らいましょう。MACDがシグナルを下に抜けると売りシグナルと判断し、売り注文を確定します。

シグナルのイメージ

6.RCI

RCIは一定期間内の終値を高い順に並べた順位と、現在から遡って並べた順位の2つを使って判断するテクニカル分析の手法です。上昇トレンドが続くとRCIの数値はプラスに、下落トレンドが続くとRCIの数値はマイナスになります。

マイナスからプラスに転じたときは買いシグナル、あるいはマイナス圏で反発したときも買いシグナルです。反対にプラスからマイナスに転じたときは売りシグナル、あるいはプラス圏で反発したときも売りシグナルと判断します。

7.ストキャスティクス

ストキャスティクスも、RSIと同様、売られ過ぎと買われ過ぎを判断するためのテクニカル分析の手法です。トレンドがチャート上に表れていないときに売られ過ぎ・買われ過ぎを判断できるので、読みづらいときの指針となるでしょう。

ただしストキャスティクスは逆張りの手法のため、利益確定を短期間で行わないとタイミングを逃してしまう恐れがあります。動きのあまりない相場で利益を得るためにも、ストキャスティクスを利用するときは短期集中で臨むようにしましょう。

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テクニカル分析のメリット

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テクニカル分析にはまだまださまざまな手法がありますが、まずは紹介した基本の7つを覚えてください。テクニカル分析を覚えて活用することで、投資判断をスムーズに行えるようになるでしょう。

また、テクニカル分析には次のメリットもあります。

  • チャート以外を考慮しなくてよい
  • 投資に詳しくなくても活用できる
  • 証券口座のツールを使えばさらに簡単

チャート以外を考慮しなくてよい

テクニカル分析では、チャートで表示されているもの以外をチェックする必要がありません。例えばボリンジャーバンドを用いるのであれば、「+2σを超えたら売り、-2σを下回ったら買い」のように各分析手法の判断基準だけを理解していれば実行できます。

チャートに表示されていない内容について考慮する必要がないので、シンプルで迷いのない投資が実現できるでしょう。

投資に詳しくなくても活用できる

テクニカル分析は、各分析手法におけるチャートの見方と判断基準だけを理解していれば活用できます。ファンダメンタル分析で必要になる為替の読み方や世界の情勢、各企業の財務状況などについての知識は一切不要なので、投資や経済、社会に詳しくない方でも投資に活かすことが可能です。

投資はしたいが経済方面の知識に自信がないと感じている方も、テクニカル分析ならハードルが低いのではないでしょうか。

証券口座のツールを使えばさらに簡単

テクニカル分析の手法について紹介しましたが、各手法ではそれぞれの数値や線をチャート上に記す必要があります。計算が面倒そうで難しそうと考えている方も多いかもしれません。

しかし、各証券会社で口座開設者向けに提供している株式投資ツールや為替取引ツールを活用すれば、簡単にチャート上に各テクニカル分析の線や数字を表記することができます。数字が苦手な方も気軽に利用できる分析手法といえるでしょう。

テクニカル分析の注意点

投資を悩むイメージ

投資初心者や経済・数字に苦手意識がある方でも取り組みやすいテクニカル分析ですが、注意する点もいくつかあります。特に次の2点については留意しておきましょう。

  • 例外的な動きには対応できない
  • 売買のタイミングがずれることもある

それぞれ具体的に見ていきましょう。また、各注意点における対処策についても紹介します。

例外的な動きには対応できない

テクニカル分析は、いずれも「経験的あるいは確率的にこのような動きをすることが多い」という事実に基づいて投資判断を行います。

そのため、例外的な動き、例えば世界的あるいは日本全体規模の恐慌が起こったときや大企業の倒産やその余波などによって起こる動きには対応することができません。あくまでも一般的かつ平均的な動きの中で買い・売りを判断する際に用いてください。

売買のタイミングがずれることもある

テクニカル分析を活用することで買いや売りのタイミングを判断しやすくなりますが、タイミングがずれることがあります。一般的にテクニカル分析では売買のタイミングが遅くなりがちです。何度も実践を繰り返して慣れてきたら、テクニカル分析で表示される動きをある程度予想して、少し早めの決断をすることもできるでしょう。

まとめ

増やすイメージ

テクニカル分析は投資や経済についての知識がなくても利用できる分析手法なので、投資初心者にも使いこなしやすい点が特徴です。しかし、突発的な動きや売買のタイミングのずれなどの注意点もあるので、何度も実践を繰り返して感覚をつかむことが必要になるでしょう。

どんな分析法も100%正しい判断はできません。リスクを理解し、慎重に投資を行っていきましょう。