iDeCoは自分が拠出した掛け金を自分で運用し、資金を形成していく年金制度です。確定拠出年金法に基づいて実施されているため、加入は任意となっています。そんなiDeCoは、今のコロナ禍の中でも加入者が増えているのでしょうか?
また、初めてだとどうやってiDeCoを始められるのか知りたいという方も多いでしょう。そこで今回は、
- コロナでiDeCoの加入者の増減はあったのか
- iDeCoに加入できる条件などはあるのか
などをご紹介していきます。iDeCoに興味がある方や個人型確定拠出年金に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
コロナ禍でiDeCoの加入者は増えた?減った?
国民年金基金連合会が6月1日に発表した業務状況によると、4月に新規加入した人の数は3万2,189人となっています。3月と比べると月間の新規加入者数は5,000人余り減少しましたが、前年の4月と比べると約500人減っているだけに留まっています。
例年の4月や5月は大型連休や新生活が始まるとして新規加入者が少ない傾向にありますが、コロナ禍の感染拡大を防止するために、全国的に外出自粛要請が出ていたことを考えると、新規加入者の減少数は小さかったと言えるでしょう。
コロナ禍でiDeCoの加入者は例年と比べると少し減ったものの、大きく減少したわけではありません。コロナが世界に流行し始めた2月頃には、新規加入者が4万1,942人で新規加入者のピークになっています。
その後2ヶ月連続で減少し4月には約1万人減少しましたが、4月7日に緊急事態宣言が発令されたのを考えると、コロナ禍でも需要は増えています。人との接触を避けることを要請されていたが、影響はさほど響かなかったと言えるのではないでしょうか。
また5月の業務状況によると新規加入者が約2.2万人増えており、前年の同月と比べてみると、5.3%増えています。これはおそらく、コロナ禍の緊急事態宣言発令が継続され、日本の大都市圏での事業や移動が制限されていたため、このような結果になったのだと考えられます。
5月に新規加入者はゴールデンウィークなどの連休の影響で、年度を通じて加入者が一番少ない時期になるのですが、今回は緊急事態宣言での家での生活が増えたことと、WEBページやコールセンターなどを通じた情報提供が充実していたことで例年よりも増加したのだと考えられるでしょう。
不安な今だからこそ!iDeCoに加入するための方法
掛け金を決定する
コロナ禍で不安な今だからこそ、iDeCoに加入してみましょう。iDeCoに加入するためには、まず自分の加入資格に合った掛け金を決定しなければなりません。加入資格があるかを確認してから、掛け金の設定を行いましょう。
加入資格区分によって、掛け金の限度額も異なるので自分の掛け金の上限がいくらになるのかも把握しておく必要がります。そのためにはホームページにて加入診断を受けて、加入資格の有無や掛け金の上限額を診断しましょう。
ちなみにiDeCoの掛け金は、月々5,000円以上の1,000円単位で加入資格に沿った上限額の範囲内で設定できます。掛金額を決める際には、基本的に60歳以上にならないと引き出せない資産だと考慮した上で、無理なく継続して拠出できる金額を設定してください。
また掛金額は1年に1回だけ変更でき、自分の状況の変化に合わせて掛け金の増減もできます。さらに掛け金を止めることもできるので、自分のペースに合わせて掛け金の設定も可能です。
リターンやリスクについて知る
iDeCoで積み立てる年金資産は、加入者と運用指図者自身の責任に基づき資産運用を行うことになります。自分の資産運用の成果次第で60歳以上に受け取れる老齢給付金の額が増えることもあれば場合によって減ってしまうこともある制度だと理解しておきましょう。
iDeCoは長期的な視点に立った資産運用を行うことが基本になります。老後に受け取る老齢給付金を豊かなものにするために、
- 資産運用の留意点
- リスクの種類と内容
- リスクとリターンの関係
- 長期運用の考え方と効果
- 分散投資の考え方と効果
を理解した上で資産運用をすることを心掛けてください。
運用商品を選択する
運用商品ごとにその仕組みや特徴、リスクとリターンの関係が異なるため、運用商品の仕組みや特徴などを理解して自分に合った商品を選びましょう。iDeCoの運用商品は、大きく分けて「元本確保商品」と「投資信託」の2つに分かれます。
元本確保商品は元本が確保されている運用商品のことで、所定の利息が上乗せされます。定期預金や保険商品がこれに値します。元本商品はリスクやリターンの大きさが最も小さくなるため、初心者に向いていますが、リターンされるのも小さい点が難点でしょう。
一方、投資信託は、投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、専門家が株式や債券などに投資して運用する商品です。運用成果が投資家それぞれの投資額によって分配される仕組みとなっています。
投資信託の運用成績は、市場環境や経済情勢などの要因に拠って変動するため、運用が上手くいって利益が得られたり、得られなかったりして損失してしまうこともあります。
リターンを大きく求めるとリスクも大きくなり、リスクを小さくするとリターンも小さくなります。安全に資産運用ができるように、最初は元本確保商品などで行うと良いかもしれません。
どの金融機関に申し出るか決定する
iDeCoに加入する場合、iDeCoを取り扱っている金融機関を通して、加入の申請を行う必要があります。現在は約160もの金融機関がidDeCoを取り扱っていて、その中から1社だけ選ばなければなりません。金融機関ごとに取り扱っている商品やサービス内容が異なるので、よく比較・検討して自分が加入する金融機関を選びましょう。
金融機関を選ぶ時のポイントとして、自分が入りたいと思う運用商品があるか、サービスは充実しているか、手数料がどのくらいかかるのかなどがあります。運用商品に関しては、金融機関ごとに取り扱っている商品が異なるので、商品のラインアップを見ておきましょう。
iDeCoは開設した口座にかかる毎月の管理手数料も金融機関によって異なるため、サービス内容と併せて検討しておくと良いでしょう。
iDeCoに加入できる条件とは?
会社員の場合
民間企業に勤めている会社員の方は、第2号被保険者となります。加入資格は60歳未満で企業型確定拠出年金の加入対象者の場合、マッチング拠出を実施していない企業型で規約に個人確定拠出年金に加入できる場合のみ加入ができます。
拠出限度額は企業型の加入者でない場合、厚生年金に加入していない場合は月額2万3,000円で、厚生年金に加入している場合は月額1万2,000円となっているため注意が必要です。
企業型加入者で厚生年金に加入していない場合は月額2万円となっており厚生年金に加入している場合は月額1万2,000円となっています。
自営業を営んでいる場合
自営業の方は第1号被保険者となり、加入資格は満20歳以上60歳未満で、国民年金保険を納付している場合にのみ限られます。農業者年金基金には加入していないことが条件です。
拠出限度額は、「年間81万6,000円-国民年金基金などへの年間拠出額」で決まります。国民年金の付加保険に加入されている方の拠出限度額は年間80万4,000円となります。
公務員の場合
公務員も民間の会社員と同じく第2号被保険者となり、加入資格は60歳未満です。拠出限度額は月額1万2,000円となっています。会社員のように厚生年金に加入している場合や加入していない場合などはなく、拠出限度額はきちんと決められています。
専業主婦(主夫)の場合
専業主婦(主夫)の場合は、加入資格が20歳以上60歳未満となっており、拠出限度額は月額2万3,000円です。専業主婦(主夫)も公務員と同じように、拠出限度額が場合によって決まっているわけではないので注意しましょう。
まとめ
コロナの影響でiDeCoの加入者に増減があったのか、加入のための条件はあるのかをご紹介してきました。コロナ禍でもiDeCoの加入者は増えており、現在は加入者が160万人を超えています。不安な時期だからこそ、入っておこうと思う方が多いのだと考えられます。
コロナ禍で金融機関に足を運べないという方は、コールセンターなどに問い合わせてみると良いでしょう。iDeCoに加入したい方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。