コロナが流行し始めてから数ヶ月が経ち、様々な影響が起きています。iDeCoその1つで、確定拠出年金がマイナスになってしまったという方も多いでしょう。そのような時は、資産配分を見直して運用していくと良いかもしれません。
そこで今回は、
- コロナショック中の資産配分の見直し方
- iDeCoを運用する時に覚えておきたいスイッチングとは何か
- 運用状況はいつ確認した方が良いのか
をご紹介していきます。確定拠出年金がマイナスになって困っているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
コロナ禍の現状で資産配分を見直してみよう
これまでと大きく資産配分が変わってしまったら
iDeCoを運用する時に投資信託を選んだ場合、価格変動は毎日起こりますが、一時的に価格が上下に動いたとしてもiDeCoの受け取りは60歳以降からになります。長期運用中は、毎日の小さな価格変動は気にせずにほったらかすのが基本です。しかし今回のコロナショックのように相場が大きく変わってしまう場合は、資産配分を決めて運用していても価格変動で配分が崩れてしまいます。
少し崩れてしまったほどでは問題ありませんが、大きく崩れてしまうと自分の許容リスクを大きく超える可能性があるのです。資産配分が大きく変わってしまった場合は、「リバランス」をする必要があります。リバランスとは、株式や債券、投資信託などの価格が上下することで、当初の割合が崩れてしまったものを元の状態に戻すことです。
リバランスには毎年1回など一定の期間ごとに行う場合と、最初の状態から1割以上ズレるなどの変化に応じて行う場合があります。iDeCoを運用している方の多くは投資に慣れていないかもしれないので、市場の動きに左右されない定期的なリバランスが向いています。頻度は個人の場合1年に1度、家計全体の棚卸の一環としてリバランスすると良いでしょう。
年齢やライフステージの変化でもリスク許容度が変わる
年齢によってiDeCoなどの確定拠出年金を運用できる年数は変わるため、リスク許容度も変わります。また結婚や出産などライフステージが変わった場合にも、リスク許容度は変化します。リスクを取り過ぎた資産運用になっていないかなど、現在の運用で今後の変化に対応できるのか見直しておきましょう。
コロナ禍で収入が変化したらどうすればいい?
コロナ禍で収入が大きく変化した方もいるはずです。収入が減ったり増えたりした時に、現在掛け金を増減させることもあるでしょう。iDeCoの場合、毎月5,000円からの掛け金なのでバランス型の1本にしていたけれど、毎月2万円ほど掛け金を出せるのであれば、複数の投資信託で運用してみるのも一つの手です。掛け金によって選択する商品は異なるので、自分に合った商品を選びましょう。
iDeCo運用で覚えておきたい「スイッチング」
スイッチングとは?
iDeCoなどの確定拠出年金は最初にどの運用商品をどの程度購入するかを決定しますが、時間が経過するにあたって資産構成割合など運用の状況が変わる場合があります。先ほどもご紹介したように年齢やライフステージの変化によって資産配分を見直す必要がありますし、運用実績によって保有している資産のバランスが変化することもあるでしょう。
iDeCoはあくまで自己責任で運用していく仕組みなので、運用商品の変更は自分で行わなければなりません。iDeCoを運用していく上で覚えておきたい手段が「スイッチング」です。スイッチングとは、これまでに積み立ててきた資産の商品構成などを変更することを言います。例えば商品Aの一部を売却して商品Dを購入するという手続きで、この場合全体の資産残高は変わりません。
スイッチングをするケースとして、利益を確保する場合とリバランスを行う場合との2つのケースが考えられます。利益を確保する場合、iDeCoは給付開始年が60歳以上なので、値上がりして損益がプラスになっても今後値下がりした場合には利益が減ることもあるのです。スイッチングは投資信託の利益相当分を売却して元本確保商品を購入することで利益を確保できます。
また運用を続けていると、掛け金の配分と資産残高の配分が異なります。例えば株価が下がったから商品BとDの資産全体に占める割合が減り、他の商品の割合が増えたとしましょう。そのまましていてもいいのですが、スイッチングをして資産配分割合を元に戻しておくと、株価が上昇した際には、より大きなリターンが期待できるのです。
スイッチングのような手段として「配分変更」というものもありますが、配分変更は運用商品の種類や配分の割合を変更することです。ハイリスクハイリターンの運用から、リスク・リターンの小さい運用に変更したい場合などに行います。配分変更をしても、これまで積み立ててきた資産の割合は変更しないので注意が必要です。
スイッチングの注意点
スイッチングをする際には手数料は掛かりませんが、商品を売却する時に一部信託財産留保額という売却時の手数料が設定されている投資信託を売却する場合には、売却金額から手数料が引かれます。さらに売却と購入それぞれに数日かかる場合があるので、スイッチングをする際には日数がかかってしまいます。
バランス型商品の中には、資産配分割合が固定されているものもあり、この商品を選べばリバランスの手間が省けます。
運用状況は3ヶ月に1回確認しよう
iDeCoの運用が始まれば自分の資産がどうなっているのか、気になってしまう方は多いでしょう。iDeCoの資産運用の状況は金融機関のウェブサイトにある加入者画面から見られるため、毎日資産残高が増えているのか見てしまう方は多いのです。しかし大きな経済危機が起きない限り、資産残高が1日で大きく変動することはないため、毎日チェックする必要はありません。
どのくらいのペースが良いのかというと、3ヶ月に1回のペースで十分です。3ヶ月は短過ぎず長すぎない忘れにくい絶妙な期間のため、上場企業でも決算発表を行う際に取り入れられています。ちなみに金融機関には最低でも年に1回はiDeCoの資産運用状況を加入者に郵送で伝えることが義務付けられています。忙しくてもiDeCoの資産状況にはきちんと目を通しておきましょう。
まとめ
今回は、コロナショック中の資産配分の見直し方や運用状況はいつ確認した方が良いのかなどをご紹介してきました。iDeCoを運用している際に、大きく資産配分が変わってしまったら自分のリスク許容度を超えてしまう可能性があります。資産配分が大きく変わってズレが生じた時は、「リバランス」を行うようにすると良いでしょう。
リバランスを行う目安として明確な基準はありませんが、掛け金の配分と保有資産の配分に5~10%ほどのズレがある場合にはリバランスを検討してみると良いかもしれません。コロナ禍で収入が変化してしまった場合は、複数の投資信託で運用してみるのも良いでしょう。その際は自分に合った商品を選んで運用していくことが重要です。
iDeCoの運用見直しをするタイミングは、スケジュールを決めて一定の期間ごとに見直しをするか、年齢やライフステージの変化に応じて見直しをするかの2つがあります。スケジュールを決めて見直しする場合は、頻繁に配分変更やスイッチングを行わずに長期保有を前提とした運用を意識するようにしてください。
年齢やライフステージの変化に応じて見直しをする場合は、年齢によって運用の仕方が変わってきます。定期的にチェックをして、リスクを抑えて安定したリターンが期待できる運用をしていくと良いでしょう。