将来の資産に不安を持つ方は多いでしょう。新型コロナの感染拡大により景気が悪化し、ますます資産に対する不安は強まっています。将来の不安をなくすために求められる資産運用ですが、今のタイミングで始めるべきか悩む方は多いはずです。
しかし、コロナ禍にある今だからこそiDeCoでの運用をおすすめします。なぜコロナ禍でもiDeCoで運用は始めるといいのか、メリットをご紹介しましょう。また、これから始めようと考えている方に向けて、注意点も解説します。
目次
iDeCoなどの口座開設数は増えている
積み立て投資が大きなリターンを生み出すきっかけ
新型コロナの流行で一時期下げ相場となりました。下げ相場だと個人投資家が離れやすい傾向にありますが、今回は少し状況が異なるようです。なんと、iDeCoやつみたてNISAの口座開設をする人は増えています。
その理由は、iDeCoには大きなリターンを生み出す可能性があるからです。iDeCoは毎月一定額を投資して運用する積み立てタイプです。また、様々な商品に投資する形となるので、分散投資にもなっています。
相場の動きを見て売却するのではなく、長期的な運用で資産を形成していくスタイルです。積み立てや分散投資は将来が確定しないマーケットでも、長い目で見れば成長すると想定して運用するので、運用期間が長ければ長いほど大きな利回りに期待できます。
下がっているからこそ始めるべき
株価が下がっているからこそ、今からiDeCoは始めた方が良いでしょう。景気は回復傾向にあっても、上昇に向かうには時間がかかります。また、コロナ以外で今後下落する可能性もあるでしょう。
そうなると、ますます将来の資産に不安を持つことになります。iDeCoは今ある資産を増やす投資ではありませんが、将来的に大きな資産を得られる可能性が高いです。
コロナの影響でボーナスが出なかった、収入が減ったという人は多いです。老後もそのような事態を招かないためにも、今からiDeCoで長期的な資産形成に取り組もうと考える人が増えているのでしょう。
なぜiDeCoがおすすめなのか
経済成長の恩恵を享受できるから
iDeCoのような積み立て投資は、市場全体の動きと同様の値動きで運用されるインデックス型投信です。例えば、日経平均に連動する投信なら、日経平均と同じように株価が動きます。つまり、今後日経平均を採用する企業が経済成長すれば、各社の株価が上がって指数も上がることになります。その結果、インデックス型投信を保有しておけば、経済成長の恩恵を受けられることになるのです。
株価は常に変動しているので、コロナショックのように大きく値下がりすることもあります。しかし、iDeCoのような積み立て投資は長期運用が前提なので、短期的な市場の動きに惑わされず、長い目で運用すれば成果につながることが大きなメリットです。
コロナショック後、景気が回復するのか不安を持つ人もいるでしょう。しかし、オイルショックやリーマンショックなど、過去に何度も金融危機は起きていますがいずれも景気はV字回復をしています。新型コロナも収束に向かう兆しが見えてくれば、経済の方も安定して回復や上昇に期待できるでしょう。
税制優遇があるから
iDeCoでは税制優遇を利用できます。例えば、掛金の全額は所得控除の対象です。毎月1万円を掛金としている場合、所得税と住民税が10%だとすると年間2.4万円の税金が控除されることになります。
さらに金融商品の運用では運用益が源泉分離課税として約20%徴収されます。しかし、iDeCoなら運用益も非課税で、再投資されるようになっているのです。
また、運用した資金を受け取る際は年金形式と一時金のどちらかを選択できます。年金の場合は公的年金等控除、一時金なら退職所得控除が適用されます。
このように税制優遇があるので、コロナの影響で生活に不安がある人も安心して運用できることもiDeCoを始めるメリットです。
コロナ禍で残高がマイナスになってしまった場合は?
取引状況を確認する
コロナの影響で収入が減った人は多いと思いますが、iDeCoの資産残高がマイナスになったのではと不安になる方もいるでしょう。まずは届く運用レポートを見て、取引状況を確認してみてください。
もともと定期預金や保険商品など元本確定型商品を選んでいる場合は、元割れの心配はないでしょう。ただし、コロナにより相場が大幅に下がった状態では、今後大きく増える可能性は低いです。相場が下がっている状況でも将来の資産を少しでも増やしたいのであれば、ポートフォリオを見直して掛金の一部は信託投資で運用した方が良いでしょう。
狼狽売りをしない
資産残高は減っていても売却は控えましょう。相場の下落でパニックになって売却してしまう行動を狼狽売りと呼びます。初心者に多い行為ですが、下げ相場では狼狽売りが集中する傾向が強いです。狼狽売りが集中するとさらに株価が下がる原因となり、悪循環を生んでしまいます。
iDeCoは指定した金額内で毎月口数を買う仕組みとなっています。つまり、株価が下がっている時は購入単価も安くなるので、買い付ける口数が多くなるわけです。その後、下げ相場から上げ相場に変わった時、利益が得られやすくなります。株価が下がっている時こそ積み立て投資は大きなチャンスと考えておきましょう。
これから始めようと考えている人はどうすべき?
1年分の生活費がある人はスタートを視野に
1年分の生活費を確保できている人であれば、今からiDeCoでの運用を始めても良いでしょう。新型コロナの感染拡大のように緊急時は生活のための資産が押さえられない可能性があります。収入が減った状況で生活費を削ってまで資産運用をしても、今後の生活が苦しくなるだけなのでおすすめしません。
逆に給料が減る事態になっても1年分の生活には余裕があるのであれば、将来の資産を増やすという意味でiDeCoを始めるのも良いでしょう。iDeCoは積み立て期間が長ければ長いほど利益が大きくなるので、若いうちに始めると良いでしょう。
毎月少額でもいいので長期的に積み立てていけば、時間分散効果が発揮されてリスクを抑えた投資が可能です。iDeCoはその性質を持つので、安値に転じている時だからこそ積み立てを始めて、継続していくと良いでしょう。
貯蓄が少ない人は今から始めるべきではない
逆に貯蓄が少ない人は、今すぐにiDeCoを始めるのは避けた方が良いです。1年間は余裕で生活できるほどの貯蓄がない場合、まずは資産状況や家計を見直してみましょう。
今残しておかなければならないお金と、いざという時に使うお金がどのくらいあるのか分かると、緊急時も安心できます。また、家計の内訳に無駄があれば、それを省くだけでも節約につながり貯蓄や投資用の余剰金を確保しやすくなるでしょう。
将来が不安だからと、今無理やりiDeCoを始めても生活の負担が大きくなるだけです。成功している投資家は投資中心の生活をしているのではなく、一定の生活基盤を確保した上で余裕を持って運用しているケースが多いです。少額投資ができるiDeCoでも、余剰金で運用するという考えを持っておいた方が成功を実感しやすいでしょう。まずは生活基盤を整えて、投資に回せるお金を作ることから始めてみてください。
まとめ
経済は不安定な相場ですが、そんな今だからこそiDeCoをおすすめします。iDeCoは継続して運用すれば、60歳以降に大きなリターンを得ることが可能です。将来の資金に不安があれば、できれば早く始めた方が良いでしょう。
iDeCoは購入単価が小さく多くの数口を買える時こそ、後の大きなリターンに期待できる手法となっています。そのため、相場が落ち込んでいる時がチャンスです。
今、貯蓄に余裕がない人は負担が大きくなるのでおすすめできません。逆にある程度、生活に余裕が持てるのであれば今からiDeCoでの運用を始めてみると良いでしょう。