大富豪は何を食べている?ウォーレンバフェットの気になる食事

サラダとナイフとフォーク

ウォーレンバフェットは、日本円に換算すれば約9兆9800億円もの純資産を持つ大富豪です。投資の神様とも呼ばれる人物で、たった1万ドルだった資産を約700倍以上に増やした成功者としても知られています。

大富豪なら、日々の食事もきっとトリュフやフォアグラ、キャビアなどの高級グルメを楽しんでいるのではないかと考える方もいるでしょう。

  • 大富豪の普段の食事が知りたい!
  • 高級食材を食べないって本当?
  • ウォーレンバフェットと一緒にランチを食べてみたい

という人に、ウォーレンバフェットの気になる食事についてご紹介していきます。

ウォーレンバフェットとはどんな人物?

生年月日:1930年8月30日
出身:ネブラスカ州オマハ
主な職種:投資家・経営者・資産家

ウォーレンバフェットは「投資の神様」や「オマハの賢人」と呼ばれ、バークシャー・ハサウェイ社の会長を務めている世界的に有名な投資家です。2021年世界長者番付によると、バフェット氏の資産は約960億ドル(約10.6兆円)で世界第6位でした。90歳を超えた今でも、現役の投資家として活躍しています。

バフェット氏は幼いころから、投資や経営の才能を発揮していた人物です。6歳から祖父の営む食料雑貨店から仕入れたコーラを訪問販売したり、11歳から株式投資を始め利益を出していました。その後、証券会社や資産運用会社での勤務を経て、バークシャー・ハサウェイ社の会長に就任しています。

また、バフェット氏はさまざまな企業の経営危機も救ってきました。多額の赤字を抱えた損害保険会社の株を購入したり、経営が傾いた米日刊紙の取締役に就任しアドバイスをおこなうなどの偉業を成し遂げたのです。

昨今では、マイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏が設立した財団に300億ドル相当を寄付するなどの慈善事業家としても活躍している人物です。

ウォーレンバフェットは普段どんな食事を摂っている?

マクドナルドのハンバーガーとポテト

朝はマクドナルドで決まり

投資の世界で成功を収め、巨万の富を手にした人物の朝食は、きっとサラダやフルーツなど健康的で体に良いものだと思っている人も多いでしょう。しかし、実はウォーレンバフェットの朝食は異彩を放っています。

朝はいつも同じメニューをマクドナルドで注文して食べていて、しかも3.17ドル以上の注文をしたことがありません。健康的どころか加工肉ばかりのジャンキーな朝食を続けていて、食習慣的には「オマハの賢人」とはお世辞にも呼べないような状態です。

ウォーレンバフェット自身も、野菜を食べない6歳の子どものような食事であると認めています。

昔からチェリーコークが大好き

80歳代のウォーレンバフェットがチェリーコークの缶を手にしている画像を目にしたことがある人は多いでしょう。老齢を迎えた男性が、コーラを飲んでいる様子は多少奇異にも見えます。

ウォーレンバフェットは実に1日に5缶のチェリーコークを飲んでいます。昔からチェリーコークが大好きで、今でも飲み続けていると語っています。

ジャンクな食べ物が好物

ハンバーガーやチェリーコーク以外にウォーレンバフェットが好んで食べるものも、多くはジャンクフードです。

たっぷりの砂糖とコーンシロップでピーナツを固めたアメリカのお菓子、ピーナツブリトルもウォーレンバフェットのお気に入りです。ピーナツブリトルは食べ始めるとやめられなくなるとも語っています。

ウォーレンバフェットのジャンクフード好きは有名です。

投資で大きな成功を収めている人物が、節制した食事をしていないことは意外に感じるかもしれません。しかし、ウォーレンバフェットの食事に対する考え方は、投資の考え方とも共通する部分があります。

ウォーレンバフェットはなぜ高級料理を食べないのか?

皿に乗るハンバーガーとポテト

自分が知っているものだけを食べているから

ウォーレンバフェットは子どもの頃から好きだったチェリーコークを一貫して愛飲しています。地元のネブラスカ州オマハにあるレストランにもずっと通い続けていて、NYでも行きつけのステーキハウスに行きます。

株式市場がどんな状況でも、朝食は同じマクドナルドです。同じ食事にこだわる理由は、自分がよく知っている店と食事を理解しているからと言えます。

自分が好きなものと、好きなものから得られるものを検証して正確に把握していると言い換えても良いでしょう。同じ店で朝食を食べ続ければ、たいていの人は自分の好きなものが把握できるようになります。

自分が知っているものをより深く知ることは、投資に精通する姿勢に反映され、自分の投資先をしっかりと検証し把握する姿勢が成功を支えていると言えます。

大事なのは、徹底的に追及すること

ジャンクな食べ物を食べ続けることは、栄養学上は好ましくないものです。しかし、バフェット氏は食事でも投資でも、自分が必要と求めていれば、徹底的に追求します。

ハンバーガーやフライドチキン、ピーナツブリトルなどに偏った食事は見方を変えれば実に自由です。制限を課すのではなく、自由にアプローチするスタイルは投資にも生かされています。

たとえば、バフェット氏は上場企業7社の株式、合計1億株以上を保有し、さらに全体の5%以上を保有する上場企業が20社もあります。他にも、2009年にはBNSF鉄道を440億ドルで買収したり、2015年にはプレシジョン・キャストパーツといった非上場企業の大規模な買収をおこないました。

これらの買収の事例は、自分が求めるものを素直に求めた結果と言えます。まるで、ヘビーでジャンクな食事をペロリと平らげてしまうようだと例える人もいるほどです。

好きなものに対する情熱に従っているから

子どもの頃からチェリーコークが好きなバフェット氏は、炭酸飲料を大量に飲む生活を続けています。心から大好きなチェリーコークを、長い人生で愛し続けていると言えるでしょう。

好きなものを好きと言うことは、簡単なようで意外と難しい場合もあります。健康的に好ましくない習慣ならなおさら、止めるべきではないかと心が揺れ動く方が一般的です。

しかし、バフェット氏は自分の信念、情熱に従って生きています。好きな食べ物・飲み物を心から楽しむことと同じように、投資先に対する情熱をブレることなく燃やし続けて、支援していると言えるでしょう

貴重!ウォーレンバフェットと一緒にランチが食べられる権利

スパゲティ

毎年開催しているパワーランチオークション

投資の神様ウォーレンバフェットと一緒にランチを食べたいと思う投資家は数多くいます。財団では、ウォーレンバフェットとランチが食べられる貴重な権利のオークションを行っていて、毎年かなりの収益金を上げています。2018年には400万ドルを超える落札額となりました。

パワーランチ会は2000年から開催されていて開催当初の落札額は2万ドル前後でした。しかし、IT場バブルが崩壊した後、ウォーレンバフェットの成功に注目が集まり落札価格は急騰し始めました。

ヘッジファンド運用者のデビッド・アイホーン、シンガポールのジェイソン・シュー、カルフォルニア在住の段永平、インドの投資家モニッシュ・パブライなどが落札者に名を連ねています。

オークションで得た利益はどうなる?

ウォーレンバフェットとのパワーランチ会はチャリティ企画です。そのため、高額の収益金は全て寄付金として恵まれない人たちに贈られています。

サンフランシスコを拠点に活動するグライド財団は、ホームレスを支援しています。オークションの売り上げは、毎年、グライド財団に全額寄付されています。

オークションに参加する人はどんな人?

高額の落札額が続いているオークションにはどんな人が参加しているのでしょうか。

2万5000ドルからスタートするオークションには、ウォーレンバフェットを敬愛する熱狂的なファンが集まっています。投資の世界で生きる人にとって、ウォーレンバフェット氏はプレミアム価格を支払ってでも昼食をともにしたい人物です。

オークションの参加者には中国人投資家も多く、みな投資で大きな成功を収めているウォーレンバフェットと、なんとか食事をしながら話したいと考えています。

ランチ会で学んだ、人生を変える5つの金言

バフェット氏のランチ会に参加した、スピアー氏は、今後の人生を変えた5つの内容について述べています。彼は、もともとバフェット氏を崇拝しており、ランチ会に参加し、話を聞いたことで得たものは大きかったようです。

①型にハマらないことがよい

このランチ会に参加することは、スピアー氏にとってとても高額であり、痛手であったことを、バフェット氏にそのまま伝えました。そして、ランチ会の落札金が全額寄付されることで正当なものであることは、スピアー氏も知っていたのですが、あえて「ビジネスにおいて、正しいことをし続けることは、たやすいことですか?」と尋ねました。すると、バフェット氏は少し考えて「そうだね」といい、「でも、それがどんなに正しいことでも、‟型にハマらない“と思われた場合、たいてい周りは自分を止めようとけしかけるけどね。」と答えました。たとえ、型にハマらないことでも、自分が信じた道を突き進むことも成功の一つといえます。

②おごらないこと

スピアー氏とランチ会に同行した友人は、子連れでした。その子どもたちを、バフェット氏はたいそう可愛がったそうです。レストランのメニューの中に、子ども向けの食事がなかったことを指摘し、気遣ったそうです。その姿から、「俺は特別な人間だ」といった姿は全く感じられず、誰にでも気遣いのできる素敵な人柄でした。

③我慢しないこと

スピアー氏が、「バークシャー・ハサウェイ社を立ち上げるときには、特別なアイデアが浮かんだのですか?」と尋ねると、バフェット氏はこう答えました。「何か特別なことがあったわけではなく、起業することが自分の特異な性質と合うと感じたから」と。自分が少しでも不快に思うことは、我慢してまで継続すべきではないという考え方です。バフェット氏にとって、会社に属して働き続けるよりも、自ら起業するほうが、自分の能力を最大限に活かせると感じたのでしょう。心地よく生きるためには、我慢せず信念を貫くことも大切です。

④自分の内面にある本心に気付き、問いかける

バフェット氏は、参加者に「もし、あなたの世界で一番愛する人が世界で一番他人に嫌われていたら、どうしますか?」と問いかけたそうです。周囲の人にどう思われるかではなく、「自分自身はどう感じるか」と、常に本心に問いかけて生きていくことです。そのほうが、ストレスを感じることなく、自分が不幸と感じることも少なくなるのではないでしょうか。

このバフェット氏の質問がきっかけとなり、スピアー氏はチューリッヒへと移住することを決断しました。

⑤人生の糧となるものには、時間もエネルギーも投資すること

今回のランチ会は、スピアー氏にとって今までの最高額の支出でした。しかし、このランチ会は彼にとってそれだけの価値があったと感じたそうです。高ければいいというものではありませんが、自分にとって価値があると感じるものには、時間やエネルギーを投資することが大切です。

ウォーレンバフェットの名言

バフェット氏は、ランチ会などさまざまなシーンで、人生や投資、信頼について人生に役立つ名言を述べています。今回はそのうちのいくつかをご紹介します。

■投資についての名言

・Do not save what is left after spending.

 Instead spend what is left after saving.

残ったものを貯蓄しないように。

それよりも貯蓄した残りを使うように。

バフェット氏も、「先取り貯蓄」が大切だと述べています。

・Bitcoin is probably rat poison squared.

ビットコインは殺鼠剤を掛け合わせたような毒である。

バフェット氏は、ビットコインは「百害あって一利なし」と考えているようです。

・Risk comes from not knowing what you’re doing.

リスクは自分が何をしているのかわかっていないときに起きる。

バフェット氏の投資の法則である、「自分が理解して投資せよ」という名言です。

自分自身がリスクを理解していなければ、危機が発生した時に、それを避けることもできないでしょう。

■信頼についての名言

・Honesty is a very expensive gift. Don’t expect it from chap people.

 誠実さはとても高価な贈り物だ。安い人達にそれを求めてはならない。

バフェット氏の有名な名言の一つです。誠実さは最終的に信頼にもつながります。誠実でない人は、信用ができないということでしょう。

バフェット氏はさまざまな名言を残しています。調べてみると、投資だけでなく、人生に役立つ名言がたくさんあるはずです。

まとめ

世界的な大富豪ウォーレンバフェットの普段の食事は、本当に質素で庶民的だと知り驚いた人も多いでしょう。せっかく巨万の富を得ていても、トリュフやフォアグラ、キャビアなど高級で貴重なグルメを楽しまないのは、何かもったいないようにも思えます。

しかし、ウォーレンバフェットには成功者ならではの食事へのこだわりがあり、自分の知っている、自分の求める、自分が好きなものを食べています。成功を手にして本来の自分を見失ってしまえば、そのまま失敗の道が待っています。

ぜひ、投資の世界で成功を収めた時こそ、本来の自分の素質を忘れずにいるブレない精神を大切にしましょう。そして、パワーランチ会での高額落札を通して、ウォーレンバフェットが富の再分配を行っていることも再確認し、投資家としての在り方を見つめ直してみてください。