幼い頃からビジネスを行っていたウォーレンバフェットは、指折りの資産家としても有名です。また、ウォーレンバフェット自体が多くの名言を残し、投資スタイルを築き上げたことは、投資家にとっても興味深い部分でしょう。
ここでは
- ウォーレンバフェットの人物像
- 名言から知る投資スタイル
- ウォーレンバフェットから学ぶ投資術
- ウォーレンバフェットの名言
をご紹介します。
投資に興味のある方や、ウォーレンバフェットに興味のある方は参考にしてみてください。
目次
数々の名言を残してきたウォーレンバフェットの人物像
ウォーレンバフェットが歩んできた歴史
現在はアメリカの大富豪であり「投資の神様」、「オマハの賢人」として知られているウォーレンバフェットですが、歩んできた歴史から人物像を垣間見ることができます。
ウォーレンバフェットは1930年ネブラスカ州オマハ生まれで、現在もオマハを中心として生活しています。幼い頃、祖父から6本25セントで購入したコーラを1本5セントで売り、商売や儲けについて自然と知識を身に付けていきました。
11歳になると株券を購入し、長期的に株券を所有していたことで200ドルになった経験から、株と忍耐の関係性を学びました。32歳の時にバークシャー・ハサウェイなど多くの株式会社を通じて投資を行い、2021年時点で世界第6位 960億ドル(約10.6兆円)という大きな資産を得ています。
多くの資産を築きながら倹約家の一面も
多額の資産を築いたウォーレンバフェットですが、倹約家の一面も知られています。投資家と聞くと多くの資産を得て優雅に暮らすイメージがありますが、一般人と変わらない生活スタイルを継続しているのは、投資を「お金儲けの手段」にしていないためでしょう。
ウォーレンバフェットには多くの資産があり、大株主になったタイミングでブラックカードが大量にアメックスから送られてきたそうです。しかし、年会費が高いことを理由に送り返して通常のカードを使用しています。
また、高級車や最新テクノロジーにも興味がなく、マクドナルドのハンバーガーとチェリーコークを好んでいることから、親しみやすく謙虚で賢明な資産家と呼ばれています。
名言から学ぶ、ウォーレンバフェットの投資スタイル
ウォーレンバフェットの名言から彼の投資スタイルを見ていくことにします。
短期よりも長期的な投資を重視
ウォーレンバフェットは、今までの投資から長期的な投資スタイルを重視しています。長期的な投資を重視している理由は、11歳で購入した株式がきっかけです。
その後ウォーレンバフェットは、50年間で資産を毎年20%増やしていき、現在の資産総額となりました。長期的な投資には今までの自分自身の経験の他に、複利による効果を得やすいと考えているからです。
複利による効果を得やすいのは最低でも10年以降であり、10年以下の株式保有では十分に効果が得られないと考えています。そのため10年間株を持っていたいと思う気持ちがなければ株を持とうと考えないこと、10年間市場が閉鎖されても構わないと思える株を購入することと発言しています。
また、株の保有に対しても保有期間が永遠なもの、株と結婚したと思える投資を推奨しているため、短期よりも長期的な投資を重視していることが分かります。
自分が理解できるものだけに投資する
投資には成功だけでなく、必ずリスクが関係してきます。今でこそ大富豪となったウォーレンバフェットも、初めて買った株で大幅な下落を経験しているのです。
また、今までの経験から多くのリスクを経験し、必ず関わるリスクに対して「自分が何をやっているかよく分からない時に起こるものだ」と伝えています。リスクを経験してウォーレンバフェットは、自分が理解できるものだけに投資することを決めているのです。
自分自身が最も株を理解しなければならないこと、理解できるものだけに投資することが、投資において非常に重要だということです。
何がダメなのか、自分が考える
何かに失敗した時、何がダメだったのか他人に意見を求めることがあります。しかし「何がダメなのか、自分が考える」ことをウォーレンバフェットは名言として残しています。
自分で考えずに価格上昇など市場価値に左右されすぎてしまうことは、投資家として成功できません。つまり、市場価値とされる価格に一喜一憂しているのではなく、群衆と逆の動きになっても大切なことを見極める力が必要となってくるのです。
市場に左右されないのは簡単なことではありませんが、何がダメなのか自分が考える冷静な判断や辛抱強さが投資家として成功すると名言を残しています。
ウォーレンバフェットが重視していた投資術とは?
「安全域」という概念
ウォーレンバフェットが最も重視していたのは、安全域という概念です。安全域に関する概念は師匠とするベンジャミン・グレアムの考えから学んでいます。
ベンジャミン・グレアムは時価に対して安全域を探すのではなく、投資するものを調べてから慎重にタイミングを図ることを重視しています。これをウォーレンバフェットが具体化し、独自の判断基準を決めているそうです。
安全域の概念は他人と同じ行動ではなく、厳しい視点での見極めが重要としていて、大きな安全域の中でも内在的な価値と市場との差額を利用して得るものであるとしています。
多くの投資家は株価をチェックして株購入の目安にします。その後に財務諸表などで企業内容や事業に関しての情報を得て、業務内容など企業情報を得ているとします。
しかしウォーレンバフェットは、最初に財務諸表などで企業内容や事業情報を得て企業の価値を算出します。企業に関しての情報を習得してから株価を確認して価値よりも株価が大幅に低い場合は株価購入となるのです。
一時的な市場価値ではなく、今後の成長や将来性を見極めてから損をしないことを重視して安全域を確保しています。
「絶対に損をしない」ことがルール
ウォーレンバフェットの投資では、絶対に損をしないことをルールとしています。当たり前かもしれませんが、投資の基本となる部分です。
損をしないためには損切りをしないことと思われるかもしれません。しかし損をするのが目に見えているのにそのままにしておくという意味ではなく、損失を避けることをルールとするという意味です。
ウォーレンバフェットの株式投資はバリュー株投資と呼ばれるもので、株の持っている価値よりも安い時に買うことで、値下がりに対してのリスクを抑えられるものです。自分自身で徹底的に企業を分析して情報を得ることで、株の本来の価値を見極められます。
徹底的な企業分析によって、株を見極めて判断することで絶対に損をしない投資が可能です。
目先の利益に振り回されないことが大切
ウォーレンバフェットが重視していた投資術は、長期投資をメインにしています。長期保有によるメリットを得るためには、目先の利益に振り回されないことも大切です。
ウォーレンバフェットの投資では、最低でも10年間の保有継続を推奨した考えをしています。しかし多くの成果を出している一方で、あまり実行している投資家が少ないのも特徴です。
成果がある一方で実践されないのは、あまりに長い投資期間によって忍耐を欠いてしまう人が多くいるからでしょう。また目先の利益に振り回された結果、損失を出してしまう人も少なくありません。
ウォーレンバフェットの手法によって資産が増やせることは理解できても、ゆっくりと資産が増えるのを待つ人は少なく、すぐに利益を求めたがってしまいます。そのため、目先の利益に振り回されないことを重視しているのです。
投資に役立つウォーレンバフェットの名言集
リスク管理や大衆心理に関する名言
- リスクはあなたが何をやっているか理解していない時に起こる。
- 我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ。
- 株式を買う理由のもっともバカげているのは、値上がりしてから買うというやつです。
- ウォール街の常ですが、賢い人間が始めたことは、愚かな人間がやりだしたら、もうおしまいなのです。
- 習慣とは非常に軽いものであり、普段はその存在にさえ気付かない。だが一度意識すると、非常に重く断ち難いものであることがわかる。
ウォーレンバフェットの名言は、個人投資家が値上がりする人気株に便乗買いをするなどの惰性で投資をすることや、相場の世界では往々にして歴史が繰り返されることを教えてくれています。
忍耐力・長期投資に関する名言
- ゆっくり金持ちになりたい人はいない。
- みんながどん欲な時に恐怖心を抱き、みんなが恐怖心を抱いている時にどん欲であれ。
- 並外れたことをしなくても、並外れた業績を達成することは出来る。
- 「辛抱強さ」や「冷静さ」は、知能指数よりも重要かもしれないと、私は思っています。
- 郵便が3週間送れて届くような田舎に住んでいたほうが、優れた運用成績を残せるかもしれません。
- 10年、20年経っても欲しいと思うものを作っているかどうか、これが私の投資判断の基準です。
- 株式市場というのは誰かが、ばかげた値段をつけていないかどうかを確認する場所にすぎません。
- 私の投資哲学の基礎は、ベン(ベンジャミン・グレアム)が著した『賢明なる投資家』の第八章『投資家と株式市場の変動』と第20章『投資の中心概念』に、ほぼすべてが書いてあるといっても過言ではないでしょう。この本は、人生最高の一冊です。
狼狽売りや過熱する人気株を買って損してしまう個人投資家が多くいます。この名言は、相場の世界で利益を出すために必要なのは、知能指数よりも忍耐力であり長期間保有できる銘柄に投資することが大切だと教えてくれています。
ビジネスモデルの重要性に関する名言
- 特に経営されていなくても多額の利益が上がる企業、これが私の理想です
- バカでも経営できる企業を探しなさい。いずれ、そういう人間が経営者になるのだから
- 信頼できるもの、そして10年、20年、50年経ってもみんなが欲しいと思うものをつくっていく事業なのか。これらが、私が投資判断するうえでの基準であります。それについて、見方はまったく変わっていません。
- 経営成績がよくなるか悪くなるかはどれだけ効率的に舟を漕げるかという点よりも、どのビジネス船に乗り込むかという点が大きく影響する。乗り込んだ船が慢性的に浸水していると気づいたとき、より前向きな対処法は浸水部をふさいでまわることより、船を乗り換えることだ。
- 非常に素晴らしい事業には、耐久性の高い『堀(参入障壁)』があります。その堀があるおかげで、投下資本が高い利益を出し続けることができるのです。資本主義はダイナミックな世界であり、高い利益を達成している『城(企業)』は、競争相手からひっきりなしに攻撃を受けます。そんな状況下でも、永続的な成功を可能にするためには、低コスト構造を達成している業者、あるいは世界的なブランドを持つ業者が持つ強力な防壁が欠かせません。
ウォーレンバフェットが、長年投資しているコカ・コーラ・カンパニーのように長期投資の秘訣は、ビジネスモデルが優れている企業への投資ということかもしれません。
生き方に関する名言
- 失敗を認め、成功してもおごらない。望ましいのはそんな人物だ。
- 私が成功した理由は、飛び越えられるであろう30センチのハードルを探すことに精を傾けたから。
- お金は、ある程度まで、人を面白そうなところへ連れて行ってくれる。しかし、金があってもあなたのことを愛してくれる人の数が増えたりはしないし、より健康になれたりもしない。
- やる価値のないことなら、うまくやる価値もない。
- 大事なのは、自分が好きな事をとびきり上手にやることです。
- 今、楽しめないものを今後10年間に楽しむことが出来るでしょうか?たぶん、それは無理でしょう。今、好きなことをやりなさい。
- 周囲の人からそれなりの評判を得るには20年かかる。だがその評判は5分で崩れる事がある。そのことを頭に入れておけば、今後の生き方が変わるはずだ。
こちらはウォーレンバフェット自身の生き方を表している名言ですね。投資が好きだからこそ素晴らしい結果につながっているのでしょう。
まとめ
ウォーレンバフェットの人物歴から投資術、名言までをご紹介しました。11歳から投資を行っているため、独自の投資手法を築き上げた結果、世界的な大富豪となった人物です。
投資に対する考えや投資の手法から、株価だけを判断基準にするのではなく、企業の本質などを含めた判断が重要だということです。無意識に自己流の投資をしてしまいがちですが、ウォーレンバフェットの名言から投資を見直すきっかけにしてみましょう。