世界的に有名な投資家・ウォーレンバフェットの資産推移とその生活

海外紙幣

ウォーレンバフェットは世界で最も有名な投資家の1人です。築いた純資産は推定883億ドルと投資家として大成功を収めた人物で、資産づくりとの向き合い方、お金の扱い方が一般の人と大きく違うことでも知られています。

そこで今回はウォーレンバフェットの資産について詳しくご紹介しましょう。

  • ウォーレンバフェットの資産がどう推移したのか気になる
  • 投資手法や保有銘柄は?
  • 富豪の生活は本当に豪勢なの?
  • 多額の資産の使い道を知りたい

という方は、投資家であり大富豪であるウォーレンバフェットの資産推移や投資手法・保有銘柄、生活について知り資産形成の参考にしてはいかがでしょうか。

ウォーレンバフェットの資産推移

円マークと本とグラフ

資産推移表

ウォーレンバフェットの資産推移をもとにおおまかに表にまとめてみました。巨万の富を手にしているのなら生まれつきお金持ちなのではと思う方も多いのではないでしょうか。

純資産833億ドルの大富豪であるウォーレンバフェットは、元々お金持ちだったわけではありません。資産の99%は50歳以降に築いています。

表の「年間利回り」について説明します。「年間利回り」は1行上の年齢からその年齢に至るまで毎年その利回りを出し続けたことを表しています。

例えば、21歳から26歳の5年間に資産を7倍にしており、実現するために「毎年+47.6%の利回りを達成してきた」ことになります。

年齢資産(万ドル)年間利回り※
212
261447.6%
3010063.5%
39250043%
4334008%
441900-44.1%
47670052.2%
523760041.2%
536200064.9%
5610000017.3%
5938000056%
66165000023.3%
72357000013.7%
8567000005%

こうして見ると、マイナスの年はほとんどないこと、低い利回りの年もあるが大きく稼げるときに一気に資産を増やしていることが分かります。それでは、過去にどのように資産を築いたか詳しく説明していきます。

20代の時点で約14万ドル

ウォーレンバフェットは大学を卒業後、父親が経営する証券会社に入社しました。株式ブローカーとしてデビューした頃、21歳の時点での純資産総額は2万ドル、1950年の平均世帯収入が3300ドルであることを考えるとおよそ年収の6倍の資産です。

24歳になった1954年、師であるベンジャミン・グレアムからの誘いで仕事を始めた時の初任給は年間1万2000ドルと、平均世帯年収の約3倍で医師の平均年収と同程度でした。

26歳の時点での純資産は14万ドルまで増えましたが、世界的な大富豪とは言えません。ただ、ここから彼は一気に資産を形成していくこととなります。

30代で100万ドルから2500万ドルへ

30歳になった時点で、彼の純資産は100万ドルに達しました。35歳の時には、毛織物紡績業を展開していたバークシャー・ハサウェイ社の支配株式の取得に乗り出し、経営権を得ました。

38歳になった頃にはパートナーシップの純資産が1億400万ドルとなり、39歳の時点で資産額は2500万ドルにまで上っています。2500万ドルを日本円に直すと、約27億円です。30代で相当な額を稼いでいることが分かります。

40代で1900万ドルまで失うものの6700万ドルへ

40代になり、ウォーレンバフェットは苦難の時期を迎えます。43歳の時、個人資産は3400万ドルに達していました。

42歳になった1972年、菓子メーカーであるシーズ・キャンディーズ社を買収額2500万ドルでバークシャーの子会社化したものの、1970年代後半のアメリカ経済の低迷期の影響を受けました。

純資産も74年には1900万ドルまで減っています。ただし、3年後には6700万ドルまで持ち直しています。

50代で億万ドル長者

1982年、彼の純資産は3億7600万ドル、翌年には6億2000万ドルに増えています。56歳にはビリオネア(10億ドル以上の資産家)となり、60歳目前に38億ドルの純資産を手にしました。

60代から70代にかけてさらに資産総額が増加

1990年、バークシャー社は株主向けのレターで、この10年でバークシャー社の純資産総額は減少するだろうと発信しています。90年代後半に純資産総額が減ると予想していたバークシャー社の純資産は、結局は3億6200万ドルまで増加しました。

彼個人の純資産については、66歳の時点で165億ドルとなっています。66歳の時点からの6年間で純資産は2倍以上に増えているのです。さらに、72歳の時点の357億ドルになっており、資産を倍々に増やしていきました。

現在は世界で3番目の富豪に

2015年8月の時点で、ウォーレンバフェットの純資産は670億ドルとなりました。日本円に直すと約7兆3200億円です。そのため、世界有数の億万長者としてビル・ゲイツやカルロス・スリムと肩を並べています。

そして、バークシャー社からの給料は年間10万ドルというわずかな金額であることも知られています。

ウォーレンバフェットは、若い頃から資産を築き始めました。たった1~2万ドルだった資産を約700倍までに増やした彼は、このように投資の神様と呼ばれるほどの成功を手にしています。

ウォーレンバフェットの投資手法と保有銘柄

これだけの資産を築いたウォーレンバフェットですが、どのような投資手法なのでしょうか。また現在の保有銘柄はどうなっているのか調べてみました。

投資手法は「底値買い」と「消費者独占企業狙い」

バフェットの投資手法は「底値買い」と「消費者独占企業狙い」と言えます。

事前に優良な企業を調べておき、スキャンダルや金融危機などの株価が大きく下がったタイミングで買っています。例えば、保有率3位のアメリカン・エキスプレスはスキャンダルのタイミングでした。

また、消費者から大きな支持を受けている強力なブランドを持つ企業を好んでいます。近年で言えば最大の保有率1位のアップルがそうでしょう。

上位の保有銘柄

現在30銘柄以上を保有していますが、上位10銘柄でおよそ9割を占めています。

名前ティッカーコード保有割合
アップルAAPL40.07%
バンク・オブ・アメリカBAC14.45%
アメリカン・エキスプレスAXP7.92%
コカ・コーラ・カンパニーKO7.79%
クラフト・ハインツKHC4.81%
ベライゾン・コミュニケーションズVZ3.41%
ムーディーズMCO2.72%
USバンコープUSB2.65%
ダヴィータ・ヘルスケア・パートナーズDVA1.43%
ゼネラルモーターズGM1.42%
その他13.33%

アップル

アップルは、バークシャー社が1%以上所有している唯一のハイテク銘柄であり、最大の保有株です。2016年から購入し始めて2018年に追加購入したことで1位となりました。アップルは株主還元に力を入れており、配当や自社株買いをしています。パークシャー社にとってはアップルから年間8億ドルの配当を得ており、大きな配当収入源となっています。

バンク・オブ・アメリカ

バンク・オブ・アメリカは、米国の大手銀行トップ3の1つです。米国での預金額1位、クレカ3位となっています。バフェットは2020年にJPモルガンチェース、ウェルズファーゴ、ゴールドマンサックスなどの金融株を売り、バンク・オブ・アメリカを購入しました。バンク・オブ・アメリカは、収益性で比較したときに他の金融株より割安、魅力的な配当利回りと自社株買いを実施、テクノロジーへの投資に関して他の大手銀行よりも多くの賞を受賞、そのような点から投資対象になったと言われています。

アメリカン・エキスプレス

アメリカン・エキスプレスは、世界的なクレジットカード会社で世界シェア4位です。事業は多岐にわたり、クレジットカード、トラベラーズチェック、保険業、プライベートバンク事業などを行っています。バフェットは、アメリカン・エキスプレスのビジネスモデルとブランディングが顧客基盤の拡大に繋がることを予見しており、1963年のサラダオイルスキャンダルと言われる不正で株価が大幅に下落したタイミングで買い始めました。それ以来長年保有し続けています。

コカ・コーラ・カンパニー

コカ・コーラ・カンパニーは、世界最大の炭酸飲料・清涼飲料水メーカーです。バフェットが投資をし始めたのは1988年です。当時と比べると株価の動きは緩やかですが、非常に安定感のある株主還元をしています。この10年については、株価上昇率は毎年約8%、配当利回り3%(連続増配59年)、1株あたりの配当は約2倍となりました。

資産があるのに質素な生活をしているのは本当?

通帳の上に座る男女の人形

資産家になってからも地元の田舎で生活

日本円に換算すると、約7兆3200億円もの純資産を手にした彼は、さぞ豪勢な生活を楽しんでいるのではないかと思う人も多いでしょう。しかし、驚くほど質素な生活をしている人物としても知られています。

間もなく90歳となるウォーレンバフェットは、若い頃に購入した家にずっと住み続けています。当時3万1500ドルで購入した家は、現在の価値を推定すると65万2,600ドル程度です。つまり億万長者の家とは思えない質素な古い家に住んでいます。

さらに、彼は複数の家を欲しいと思ったことは一度もないと語っています。ただ、1971年にカルフォルニア州ラグナビーチの別荘は購入しています。しかし、価格は15万ドル、現在の価値で100万ドルにも満たないので豪快な生活と言えるような使い道ではないでしょう。

会社からもらう年収は10万ドル

50歳代だったウォーレンバフェットがバークシャー社から受け取っていた年間の給料は、たった5万ドルでした。80歳代なった今、バークシャー社からの給料は年間10万ドルというわずかな金額であることも知られています。

ウォーレンバフェットが唯一お金をかけているものは?

ウォーレンバフェットは常にスーツを着用しており、スーツ以外は着ないと言われています。しかし、彼のスーツは高級ブランド品ではありません。マダム・リーがデザインする中国製のスーツを、約20着持っているだけです。

他にも、散髪代は18ドル、朝食はマクドナルドで3.17ドル以下の品を注文するなど、自分自身の生活は贅沢ではなく、巨万の富を得ている割に支出は少額と言えます。

そんなウォーレンバフェットの生活空間には、うんざりするほどの本が山積みになっていると言われています。1日の8割は読書に時間を割いている彼は、書籍にはお金を使っているそうです。

学ぶためにはお金を惜しまないというウォーレンバフェットの人生哲学が伺えるでしょう。

多額の資産は何に使っているのか?

iPhoneとドルマーク

多額の寄付を行ったアメリカ人ランキングで1位を獲得

ウォーレンバフェットは数百億ドルもの純資産をただ貯め込んでいるのだろうかと疑問に思う人も多いでしょう。

実は、ウォーレンバフェットは慈善啓蒙活動に注力してきました。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ、元妻のメリンダが設立した、ビル&メリンダ・ゲイツ財団に3人目の理事として勤めていました。

また、彼はこれまで多額の寄付をしており、4年連続アメリカで最も多額の寄付をしています。2017年の寄付金額は28億ドルで、日本円で換算すれば約3,150億円の寄付額です。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団に20億ドル以上、スーザン・トンプソン・バフェット財団に約4億ドル、そのほか3つの財団に合計約4億ドルの寄付を行いました。

まとめ

投資活動を通して富を得たいと考えている人の多くは、稼いだお金を自分のためだけに使い、貯め込みたいと考えがちです。しかし、お金は巡らせなければ価値がありません。

ウォーレンバフェットの資産についての真実を知って、ぜひ、投資活動の考え方を振り返り本当の成功を手にしてください。