株主優待ではカタログギフトが人気!女性におすすめの銘柄も紹介

プレゼントのイメージ

株主優待とは株主に自社の商品やサービスなどの贈り物をする制度で、これを目的に株を購入する人もいるほど人気です。上場銘柄の3社に1社の割合で実施されています。本記事では、株主優待の仕組みや獲得の方法、人気の商品やサービスなどについて紹介します。

株主優待とは株主へ優待品を送る制度のこと

プレゼントを贈るイメージ

株主優待は、株主に無料で自社商品やサービスの優待券などを贈る制度です。上場銘柄を購入した株主が受け取れますが、すべての会社で実施されているわけではありません。自社製品やサービスを提供する会社もあれば、商品券や地域の名産品を贈るところもあります。

株主優待は人気が高く、新設や廃止によって株価が動く場合もあるほどです。導入している企業は増加傾向にあったものの、2020年には廃止した企業数が75社と新設の49社を上回り、11年ぶりに減少に転じました。

これは、新型コロナウイルス拡大の影響による業績悪化に加え、優待よりも配当による公平な利益還元を求める投資家の声を反映したものとされています。株主優待について詳しく見ていきましょう。

株主優待の仕組みのイメージ

任意で行われている

株主優待はすべての上場会社で行われているものではなく、任意です。2021年5月現在では、4,000近い上場企業のうち約1,514社が制度を導入しています。優待を通して自社のファンを増やすことが目的です。優待はテレビや雑誌で取り上げられることも多く、認知度が上がって優待を目当てに株を購入する人も増えています。

ただし、株投資は会社の成長を応援するという目的もあるため、その企業の財務状況や事業内容も調べて投資するようにするとよいでしょう。もちろん、売買利益や配当など、本来の目的も忘れないようにすることが大切です。

株主優待の内容

株主優待は、株主であると同時に顧客としてもファンになってもらい、売上を伸ばす戦略です。そのため、自社製品の提供や店舗の割引券、施設の利用権などが主な内容になっています。

しかし、最近ではクオカードなどの金券やカタログギフトなど、自社製品やサービスとは直接関係がないものが配布されるようになりました。株主を増やすことが主な目的になっているともいえるでしょう。上場を維持するためには一定の株主数を維持することが必要で、その政策として優待を採用しているケースもあるとされています。

優待では保有する株数により贈り物の内容や分量を変えている場合も多く、安定して長く株主でいてもらうため、1年以上株を所持している場合は優待の内容をアップグレードしている銘柄も多い傾向です。

株主優待を受け取る方法

カレンダーに書き込んでいるイメージ

株主優待の受け取りには、権利が確定する決められた日に株主になるなど一定のルールがあります。また、権利が確定する日と株券を購入しておく日は別で、買い付ける際は株価が上がりすぎているときを避けるといった注意にも必要です。

初めて優待を理由に買い付ける場合、このような独特の仕組みをよく理解しておきましょう。

権利確定日に株主になる

優待は年1回、あるいは2回受けられます。受け取るためには、権利確定日(以後「確定日」と呼ぶ)に株主であることが必要です。確定日は一般的に会社の決算日ですが、年2回実施する場合は決算日と中間決算日です。3月末決算の会社であれば3月31日が確定日で、その日に特定されていなければなりません。

ただし、株式は受け渡しまでに時間がかかることから、確定日当日ではなく2営業日前(権利付き最終日)までに買い付けておく必要があります。

例えば、31日が確定日の場合、その2営業日前の29日までに買い付けなければなりません。その翌日(30日)までに株を所有していれば、優待をもらうことができます。

権利確定日のイメージ

株主優待取得に必要な株式数

株主優待には受け取るのに必要な株式数があり、その数はごとにさまざまです。基本的に100株以上を必要株式数とする銘柄が多いでしょう。、例えば1株500円の銘柄であれば、500円×100株で、5万円が必要です。しかし、中には100株以上必要な会社もあるため、優待目的で株を買い付けるときは必ず事前に確認しておきましょう。

なお、優待は急に変更や廃止が行われる場合もあるため、買い付ける前に情報を確認しておいてください。

信用取引では受け取れない

株取引は現物で行うだけでなく、株式を証券会社から借り入れて「売り」から入る信用取引もあります。いわゆる「空売り」ですが、このような空売りでは株式の名義が証券会社であるため、権利は受け取れません。

空売りで優待を受けたい場合、現金を預け入れるという方法があります。預け入れも最終日までが期限のため、注意しましょう。

株価の動向に注意

人気の銘柄は、最終日ギリギリに買い注文が増える傾向があります。そのため、この時期は株価が上昇しやすいでしょう。また、権利を得たのちは売却できるため、優待を目的に買い付けられた株が翌日には売りに出され、値が下がることもあります。

このような株の動きからすれば、ギリギリで買い付けると損をする可能性があるでしょう。リスクを避けるには株価の動向に注意し、動きの少ない時期に購入しなければなりません。

リスクを抑えるには、「つなぎ売り」という方法があります。現物取引で買い、信用取引で売る方法です。少しでもリスクを減らしたい場合は、活用してみるのもよいでしょう。

権利付き最終日前後のイメージ

株主優待で人気の商品・サービス4選

複数のプレゼントのイメージ

株主優待の特典はさまざまですが、特に人気なのはカタログギフトや金券、自社製品、優待割引券などです。

カタログギフトは地元の特産品や自社製品などから選べ、金券にはクオカードや商品券などがあります。自社製品も、日ごろ愛用している人にとってはありがたいでしょう。これら人気の商品・サービスについて紹介します。

1.カタログギフト

株主優待の中でも特に人気なのが、カタログギフトです。地元や全国の名産品、自社製品などのカタログから好きなものを選べます。主な価格帯は2,000円から5,000円相当です。

カタログギフトの優待が人気の銘柄は、大手総合リース会社のオリックスです。100株以上の所有で、全国の名産品が選べるカタログギフト「ふるさと優待」が贈られます。3年以上保有すると内容がグレードアップされるのが魅力です。

オリックスと並んで人気なのがKDDIの優待です。100株以上で全国のグルメ品から3,000円相当の商品が選べます。

2.クオカードや商品券

クオカードや商品券などの金券も根強い人気です。株数や保有年数に応じて段階的に券面額が設定されています。

例えば、東京証券取引所などを運営する日本取引所グループは、100株以上の持株数で所有期間により1,000円〜4,000円のクオカードを提供。また、ショッピングセンター・イオンを運営するイオンモールは自社の商品券を提供し、人気を呼んでいます。

3.自社製品

自社製品を贈る会社も多く、企業のPRという株主優待の趣旨にかなったプレゼントをしています。

自社製品を対象にしているのはサッポロホールディングスや江崎グリコ、日本たばこ産業などで、企業の製品を愛用している人には嬉しい優待品といえるでしょう。また優待製品に代えて社会貢献活動への寄付を選ぶこともできます。

4.優待割引券

自社のサービスを割引料金で提供する優待割引券も人気の高い優待です。すかいらーくホールディングスは自社の飲食代割引カードを2,000円〜17,000円まで、持株数に応じて提供しています。

ほかにもサイゼリヤや日本マクドナルドなど、食事割引券を提供している企業は少なくありません。また、楽天グループは国内宿泊のクーポンを提供しています。

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女性におすすめの株主優待銘柄3選

花とコスメのイメージ

女性も株投資を行う人が増えており、化粧品会社などの株主優待が多くの女性から人気を呼んでいます。

いつも愛用している製品の銘柄を購入すれば、株の利益を得るとともにお気に入りの品も手に入るというのが嬉しいポイントです。株主優待を実施している女性向けメーカーは数多くありますが、その中でも特に人気の銘柄を紹介しましょう。

1.ポーラ・オルビスホールディングス

大手化粧品メーカーの「ポーラ・オルビスホールディングス」は、「ポーラ」「オルビス」のブランドを持ち、優待品として両ブランドの製品をプレゼントしています。

100株以上で保有株数と年数に応じ、株主優待ポイントを提供。ポイントごとに、商品カタログの中から1,500円〜12,000円相当の好きな商品と交換が可能です。

2.ワコール

婦人下着トップメーカーのワコールでは、100株以上の所有で自社商品を20%優待割引しています。割引は、通信販売カタログ「LOVE BODY」や、インターネット通信販売「ワコールウェブストア」に掲載されている商品が対象。

下着以外にも、コートやバッグなどが掲載されています。さらに、500株以上の所有で3,000円の自社商品券もプレゼントされます。

3.J・フロント・リテイリングス

百貨店の大丸と松坂屋、パルコを経営するJ・フロント・リテイリングスでは、「大丸・松坂屋」で使える10%割引の優待買物割引カードを提供しています。

100株以上の所有が対象。株数ごとにカードの利用限度額が変わり、3年以上の長期保有の場合はさらに限度額がアップします。百貨店で買い物をする機会の多い方にお得な株主優待です。

まとめ

リボンとカードのイメージ

株主優待はカタログギフトや金券、優待割引などさまざまな内容があり、人気を集めている制度です。これから株投資を始めようという方は、株主優待を導入している銘柄も視野に入れてみるとよいでしょう。

ただし、銘柄を選ぶ際は株主優待だけで決めるのではなく、会社の成長性など財務情報も吟味し、総合的に判断するようにしてください。