NISAポイントまとめ
CMなどでも目にするようになりましたので、聞いたことはあるという方も増えたでしょう。
実際に、2014年から開催されたこの制度は、すでに1000万人以上の人が利用しています。
とはいえ、使ってみたいけど、良く分からないという方も多いと思いますが、うまく活用すれば大きな力を発揮しますので、是非、しっかりと学んでください。
今回は、これだけは絶対押さえておきたい!というポイントをまとめました。
目次
NISA口座のメリット
まずは、改めてNISA口座のメリットについて書きます。
メリットは、ずばり、「投資で利益が出ても税金がかからない」ことです。
通常の口座「特定口座」では、投資をして利益が出ると20%税金がかかります。例えば、1万円利益が出たら、2000円は税金で持っていかれるということです。しかし、同じ投資を「NISA口座」で行うと、1万円利益が出ても100万円利益が出ても1000万円利益が出ても税金は0円!!です。
これが、NISAのメリットなのです。
どうせ投資をするなら、税金が取られない方が良いですよね。今投資をしている人なら、口座を変えるだけで税金がタダになります。
とはいえ、今保有している株や投資信託をNISAに移行することはできません。
あくまで、NISA口座で投資を始めた商品が非課税の対象となります。ですから、これからNISA口座で投資を始める人は、利益が出れば税金を払うこと無くその利益を得ることができるということです。
そんなわかりやすいメリットがあるのがNISA口座なのです。今のご時世、相続税も所得税も消費税も上がっているのに、税金が0円だなんてかなり政府が力を入れているのが分かります。
ただし、お得だからと言って全財産をNISAで投資しよう、という訳には行きません。
リスクが伴うということもありますが、さすがに税金が無料という制度ですから、それなりに条件があります。次はその条件について解説していきます。
1人1つしか作れない
ただし、そんなメリットの大きいNISA口座には、条件がいくつか課せられています。無条件にいくらでも、、、という訳には行かないのですね。
その一つが、「1人1口座」ということです。口座自体は、20歳以上の日本国居住者であれば誰でも無料で作れますが、NISA口座は1人1つしか作れません。
よくあるのが、最初に営業をかけられた銀行でうっかりニーサ口座を作ってしまい、後から、1人1つと知って「ああ、他の証券会社で作れば良かった」となるケースです。
でも、安心してください。ニーサ口座は、うっかり希望しない金融機関で作ってしまっても、他の金融機関に移すことができます。
NISA口座は移管可能です
手続きも簡単で、すでに作ってしまったNISA口座の金融機関に問合せて「NISAを移管したい」と伝えます。すると必要書類を送ってくれるので、それに必要事項を記入して返送、その後、移管のために必要な書類を発行してくれます。
具体的には、「非課税管理勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を発行してもらいます。この通知書を新しくNISAを開きたい金融機関へ他の必要書類とともに提出すれば、移管手続きは完了です。
ただし、NISA口座は、すでに投資をしている場合は、その年は移管できず、移管できるのは既存のNISAでその年に全く投資をしていない、つまり、NISAを利用していない状態なら移管可能ということです。
例えば、2018年にすでにNISAで何かしら投資をしている場合、その年はNISAを移管することができず、翌年の2019年のNISAから移管することが可能です。2019年は、新しい金融機関でNISA口座を開いて改めて投資を始めることになります。
2018年に投資した分については、既存の金融機関でそのまま運用されますので、移管したからと言って損することも得することもありませんが、新しい金融機関に投資したものを移管することはできません。
NISAでの投資は、あくまでも、その年に投資をした金融機関で5年間(期間については後ほど触れます)運用されるということです。
もちろん、2018年にNISAで全く投資をしていないという場合には、年内に移管することは可能です。ただし、年末になるともうその年のNISAは受付てくれず、翌年からの運用になりますので移管後の投資開始時期については、手続きをしている金融機関に確認してください。
ということで、ニーサは誰でも作れますが、1つだけしか作れませんから、シッカリ選んで作ってくださいね。
NISA口座をどこで作るか?
さて、そうなると、いったいどこの金融機関でNISAを開設するのが正解なのか?と悩んでしまいますよね。
私のお勧めは、ネット証券で作ることです。もちろん、ネット証券と言ってもたくさんありますが、気になった証券会社でまずは、ニーサじゃない講座「特定口座」を無料で作ってみましょう。特定口座は、一般的な証券口座で、誰でも無料でいくつでも作ることができますので、比較も兼ねて複数の講座を開いてみることをお勧めします。ただし、特定口座では、投資で利益が出たら税金がかかります。でも、投資をしなければお金は一切かかりませんから、そこで使いやすさを比較検討したうえで、一つの証券会社に絞りこみそこでNISA口座を開くと良いですよ。
比較検討の際に考えるのは、使いやすさと商品数、そして手数料です。
使いやすさというのは、ログインしてみたときのボタンの配置や検索ツールなど、あなたの好みで良いでしょう。商品数に関しては、株はどの証券会社でも取り扱い銘柄は同じですが、投資信託は各証券会社での取扱数が違います。今の時点(2018年10月)で投資信託の取扱数が多いのは、楽天証券とSBI証券で、大体、同数程度取り扱っています。中身を一つ一つ精査するのは大変ですが、取り扱いが多ければ選択肢も多いと考えられるでしょう。手数料については、投資信託はネット証券ならほとんど変わりありません。株式投資の手数料は、少額での投資か、1日に何度も投資するかなどやり方によって好みが分かれますが、初心者の方であれば、NISAで株取引をする方は少ないかと思うので、そこまで調べなくても良いかなと思います。
商品数が多くて、比較的初心者でも使いやすく、手数料もそこそこ安いとなると、楽天証券かSBI証券が使いやすいかなとは思います。
また、NISA口座は、開設の申し込みをしてから口座ができるまでに2か月くらい時間がかかりますので、選んで決めたら早めに開設の申し込みをすることをお勧めします。
NISA口座を作ってみたけど、他の金融機関に変えたい!と思ったら移管も可能です。詳しくはこちらを参考にしてください。「NISA口座は移動できる?」
投資額の上限があります
NISA口座は、投資で利益が出ても税金がかからないというとても便利な制度ではありますが、無制限に非課税というわけではありません。
利用する際の条件としては、
・20歳以上の日本国居住者であること
・1人1口座
・投資金額上限が年間で120万円
・その年の投資枠は繰り越せない
・非課税期間は5年
があります。
投資金額上限が年間で120万円というのは、1年間で投資することができる金額、ということです。例えば、毎月10万円ずつ投資をしたら12か月で上限に達するということです。
もちろん、一括で120万円の投資もできます。1月に120万円をNISAで投資したら、その年のNISA投資枠は上限に達するということです。上限まで達したら、その年はそれ以上はNISA口座での投資はできませんが、翌年になればまた新たな120万円の枠ができて、NISAで投資ができるようになります。
仮に、1年間にNISAで10万円だけ投資をしたとして、残り110万円のNISA投資枠が残っていたとしても、翌年に繰り越すことはできません。年が変わると、枠はリセットされるということですね。
もちろん、投資をした分についてはリセットされず、あなたが解約するまでは運用され続けます。
NISAは、投資金額の上限が決まっているので、その範囲内で活用しましょう。
5年間という期間限定です
そして、税金がかからない期間も永遠ではなく、一定期間と決まっています。それは、「非課税期間5年」という条件です。
解説のための動画も撮りました。
お金の情報を定期的に動画で配信しますので、ユーチューブのチャンネル登録をしておくと、動画がアップされたことが分かるので便利ですよ。チャンネル登録は、ユーチューブのサイトでワンクリックでできます。
NISA口座で投資をすると税金が0円になるわけですが、とはいえ、いくらでも、いつまでも0円かというとそういうわけではありません。
投資金額は、年間120万円という条件があり、期間は、5年間、という条件があります。5年間というのは、今年投資をしたものについては、今年を入れて5年間ですので、例えば、2018年に投資したものであれば2022年の年末までの運用が非課税となり、この期間であればいつ売っても利益が出た場合に税金がかかりません。
2019年に投資をしたものは、2023年の年末まで、2020年に投資をしたものは、2024年の年末まで、、、というように、その年に投資をしたものは、何月に投資をしていても、その年を含めた5年間が非課税です。
ですから、どうせなら、5年の途中で解約するよりは、全期間を通じて利益を出したいと思いますよね。
もちろん、5年間投資をするのが目的ではないですが、できるだけ長く利用できる使い方が良いでしょう。
6年目は?どうなるのか?
では、5年経ったらどうなるのか?ということですが、5年間の非課税期間が終わると、2つの選択肢があります。1つは、NISA口座から特定口座(普通の課税される口座)に出すということ。
特定口座に出す段階ではもちろん、税金はかかりません。元本と利益を含めて現金として移すということになります。
もう1つの選択肢は、翌年のNISA枠にスライドさせるというやり方で、ロールオーバーと言われています。例えば、2018年に投資したものは2022年の年末まで非課税ですが、2023年になった時に、また新しく生まれる2023年のNISA枠120万円の枠に、そのままスライドすることができます。
ただし、2022年の年末で非課税が終わる投資の総額が120万円以上だった場合、2023年のNISA枠にスライドできるのは120万円までですから、超えた分は特定口座に移ることになります。
スライドさせれば、その後、また5年間非課税で運用できますから、最長10年間は非課税運用ができるということです。
だから、NISAは最大10年非課税ということなのです。ただ、NISAは、今のところ、2023年までという期間限定ですので、2024年以降は、新たなNISA枠は生まれないということになります。
つまり、最長10年の非課税期間が取れるのは、2018年中に投資したものだけ、ということなのです。
せっかくなら、できるだけ長く非課税で運用したいので、まだ始めていない人は、2018年から始めることをお勧めします。
NISA口座の最大活用法
さて、では、どうすればNISAを最大活用できるのか、ということですが、NISAの条件を考えると、できるだけ長く、枠を使いきる投資が最大活用といえると考えます。
つまり、年間120万円、5年間の非課税枠を最大限使いきるということです。そう考えると、株のように投資額が比較的大きく、5年以内に売却する可能性が高い投資は、NISAを最大活用するには向かないと考えられます。
ですから、じっくりコツコツ利益を積み上げる投資信託が向いていると私は考えています。もちろん、投資信託でも、5年を待たずに解約することもあるかもしれません。でも、長期積み立てにしておけば5年間運用し続けるということも十分に可能です。より長期で運用を続けられる可能性が高いのが投資信託なのです。
ただし、投資信託なら何でもよいということでは無いですよ。NISAは、自分で利益を出さない限り何のメリットもありませんから、きちんと自分で利益を出せるという前提で話をしています。その点は、正しい投資法をきちんと学びましょう
こちらも動画を撮りました。参考にしてください。