投資には知識と経験が重要ですが、それ以外にも性格や考え方も損益に影響を与えます。実は性格や考え方によっては、投資家に向いている人・向いていない人に分けることが可能です。
そこで今回は、
- 自分が投資家に向いているのか知りたい
- どういう人が投資家に向いているのか知りたい
- 自分に合う投資の種類を知りたい
と考えている方のために、投資家に向いている人の特徴をご紹介します。投資の種類別に向いている人の特徴もご紹介しているので、自分に適した投資を選ぶヒントにしてみてください。
目次
投資家に向いている人の特徴
ギャンブルを好まず情報収集・勉強好き
まず投資家に向いている人はギャンブルを好みません。「投資はギャンブルではないか?」と考える方もいるでしょう。
確かに、投資にはギャンブルとしての側面があります。ですが運ばかりに頼り、楽して儲けようとしてハイリスクな一発狙いの行動をとっていては利益を出し続けることは難しく、いずれ退場となるでしょう。
投資には入念なリサーチと分析力が求められます。市場や経済情報、企業価値などから将来を予想し、リスク回避を徹底して堅実な運用をすることが大事です。
そのため、ギャンブルのように一か八かの賭けではなく、継続して情報収集を行い投資成績を向上させる意欲がある人が向いています。
長期的な視点を持ち、冷静な判断ができる
長期的な視点を持ち、冷静な判断ができる人が投資家に向いています。
短期的に利益を取りたい方は多くいます。しかし、短期トレードで利益を出すのはプロでも難しく、個人投資家はドルコスト平均法や積み立て投資などの長期投資の方が利益を出しやすいと言われており、長期的な視点で向き合う方が良いでしょう。
また、株価が自分の見立て通りとならずに含み損を抱えることもあります。そういう場面では冷静な判断が必要になりますが、多くの個人投資家が本能的に感情のまま行動して投資を失敗してしまうことがプロスペクト理論から分かっています。
“投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応し、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいとされる。” [引用元:野村證券 プロスペクト理論]
「自分は大丈夫」と思考停止をして含み損を抱え続けたり、含み益がある銘柄が少し下がっただけで感情的に狼狽売りをしたりせず、冷静に合理的な判断ができる人が投資に向いています。
貯金や数字の増加に喜びを感じる
コツコツと貯金をしたり、ポイントが貯まっていくことに喜びを感じる人は、投資家の適性があると言えます。なぜなら、人は増えたり、減ったりする数字をお金と認識した時、欲望のコントロールが難しくなるからです。
例えば、投資で10万円を損失した場合、多くの人は「損するくらいなら買えば良かった」と考えてしまうでしょう。しかし、投資家は「10%も損失したから、戦略を考え直そう」と、損への後悔よりも失敗を立て直そうという考えが先に浮かびます。
貯金は節約やお金の使い方を見直すことで、少しずつ貯まっていくものです。投資も負けが続く時は、戦略を見直さなければなりません。そう考えると、貯金も投資も似ている部分があると言えます。
毎月ちゃんと貯金ができている人はお金を稼ぐ感覚よりも、数字を増やす感覚の方が強いです。そのため、貯金上手な人やお金を貯めることにやりがいがある人も、投資でも成功しやすい傾向があります。
お金に執着心を持っていない
投資家は意外にお金に強い執着心を持っていません。投資で資産を築いた人に話を伺うと資産ではなくポイントや点数のように捉えていました。お金として捉えすぎると一喜一憂したり、強い執着心が冷静な判断を鈍らせてしまい、かえって勝てない原因となります。
投資でも全勝はありません。時には負けることもあります。負けを取り返すために一発逆転の大儲けばかりに考えが向いていると、損失した時の反動は大きくなってしまいます。
お金に執着心を持たない人は生活資金ではなく余裕資金で投資をしており、負けても「悔しい」という感情よりも、次につなげる反省点と捉えることが多いです。何が悪かったのか見極め、淡々と次の投資に活かしています。
投資家が向いていない人の特徴
ギャンブルを好み、勉強嫌い
投資家に向かない人は向いている人と真逆でギャンブルが好きな人です。例えば、「名前だけで投資先を決める」、「なんとなく他人から良いと聞いた」、「SNSで人気となっている」、これらのような情報収集せずに曖昧な理由で投資を行うのは賭博と同じです。
また、ギャンブルを好む人はハイリスク・ハイリターンな投資を好む傾向があります。ハイリスク・ハイリターンな投資は大きな利益となる可能性もあり刺激的ですが、損失も大きくなりがちです。
何も勉強せず、ハイリスク・ハイリターンな投資で楽して儲けようと考える人は、利益が出るところか退場となる可能性が高いため、投資家には向いていません。
短期的で感情のまま行動する
短期的で感情のまま行動する人も投資家に向いていません。
例えば、株で大きく稼いだら「会社を辞めて専業投資家になりたい」、「株で生計を立てたい」と考える人もいるでしょう。しかし、相場は良い年もあれば悪い年もあります。短期的な利益を追求しすぎると無理なハイリスク投資をすることになり、いずれ大損となるでしょう。
また、感情的に株価が上がると強気、株価が下がると弱気になる人も投資に向いていません。株価の上下で冷静な判断ができなければ、利益確定や損切りなどの判断が正しくできないからです。
株で利益が出ているからと油断は大敵です。自分で決めた投資ルールを冷静に淡々と徹底していく心掛けが大切です。
稼げないことを他人のせいにする
利益が出せない投資家の中には、稼げない理由を他人のせいにする人もいます。最近ではtwitterやinstagramなどのSNSやYoutubeで投資情報やおすすめ銘柄、投資法を知ることができます。でも、他人の助言を鵜呑みにして上手く行くとは限りません。
上手く行けば良いのですが、損失が出ることもあるでしょう。損失が出ると助言をした人のせいにする人がいますがそれは間違いです。その意見を聞いて投資を行ったのは自分自身であり他の誰でもないからです。
本当の成功者は、様々な情報を参考にして自分に合うやり方を見つけて、試行錯誤を繰り返しています。投資は自己責任です。勝てないことを他人のせいにして、自分で考えないのであれば投資は不向きと言えるでしょう。
お金への執着心が強い
お金への執着心が強い人は、損失が出ると取り返そうという意識が強まります。投資は長期的な目で見ることが重要であり、短期的な損失ばかりを気にしていても資産は増えません。
むしろ、損失を取り返そう、もっとリターンを大きくしようと多額の資金を投入するといった、間違った投資に走りやすくなります。結果、損失がより大きくなれば元も子もありません。結果に一喜一憂せず、長期的な成功を目指すように心掛けた方が良いです。
投資の種類別で向いている人の特徴
株式投資(個別株)が向いている人
株式投資が向いているのは、熱心に勉強し、堅実に運用できる人です。企業の実態や業績、動向から投資する株を決めるため、情報を集めて選択しなければなりません。そのため、勉強を熱心に取り組む人に向いています。
また、変動する相場に合わせて損切りも必要です。どのタイミングで損切りをするのか、明確なルールを決めて実行することが株式投資での成功ポイントなので、堅実に取り組める人に向いています。
投資信託が向いている人
債券投資はローリスクな投資がしたい人に向いています。株式投資のようなハイリスク・ハイリターンな投資は資産が大きく増減する可能性があるため、心配性な人には不向きです。
債券では毎年利息と満期の償還金を得られます。そのため、株式と比べてリスクが低いので安心して運用できます。逆にリスクを負ってもハイリターンを望む人には不向きです。
債券投資が向いている人
債券投資は心配性な人に向いています。ハイリスクな投資は難易度が高いため、心配性な人には不向きです。
しかし、債券では毎年利息と満期の償還金を得られます。そのため、株式と比べてリスクが低いので、心配性な人も安心して運用できます。逆にリスクを負ってもハイリターンを望む人には不向きです。
FXや仮想通貨投資が向いている人
FXや仮想通貨は結果を早く出したい人に向いています。どちらも24時間市場が開いているので、自分のライフスタイルに合わせて投資可能です。いつでも運用できるので、短期的な取引がしやすいメリットがあります。
ただし、他の投資と比べて非常にハイリスクです。レートが急激に変わり、証拠金を上回る損失となる場合もあるため、投資経験が浅い人は小額から始めた方が良いでしょう。
不動産投資が向いている人
長期的かつ安定した収入を得られる不動産投資は、長い目で見られる穏やかな人に向いています。ただ、莫大な資金をが必要になるためサラリーマンや公務員などの銀行ローンが組める属性であることが条件です。
不動産投資では立地や建物などが利回りに大きく影響します。そのため、利益が得られる不動産かどうか、見極める力も必要です。業者のうまい話しを鵜呑みにしやすい人は不向きと言えます。
まとめ
今回は投資家に向いている・向いていない人の特徴をご紹介しました。向いている人の特徴を見ることで、投資では何が必要となるのか見えてくるはずです。
もし、向いていない性格だった場合、考え方を変えていくことを心掛けましょう。「自分にはこういう欠点がある」と認識し、注意しながら運用すれば勝率も上がっていきます。向いていないからと諦めずに、向いている性格への軌道修正を目指していきましょう。